北欧式リンパドレナージュの竹内恵美さんが教える「リンパの仕組み」

投稿日:2012年11月13日

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北欧のフィンランドでは、リンパドレナージュは美容目的だけでなく、医療の場でも用いられています。リンパドレナージュは、手を皮膚に密着させ、皮膚を伸展させることで、リンパ液を流し、老廃物の排泄を促すものですが、「リンパ管の仕組みを理論的に知ってこそ出来る技術です」と本場のテクニックと知識を教えるフランシラナチュラルセラピストスクールの竹内惠美さんは断言します。リンパは私たちの体の中でどのような働きをしているのでしょうか。
(取材・文◎岡田光津子)

STEP1 そもそもリンパ管は何のためにある?

静脈では収集できなかった老廃物を回収する

私たちの体は、代謝が起こると、細胞から二酸化炭素や老廃物などが排出されます。それら老廃物の90%は静脈で回収され、尿や便となって体外に出ていきますが、脂肪や細菌など、静脈より大きな分子の老廃物は、細胞間質液の中に留まってしまいます。リンパ管は、残りの10%の老廃物を回収する役割を担っています。リンパドレナージュは、老廃物をリンパ管にスムーズに流すのを助ける技術です。

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STEP2 リンパ管は体のどこに存在する?

リンパ管の75%は皮膚下3~4mmの真皮層に集中している

老廃物を取り込むリンパ管。その75%は毛細リンパ管として、全身の表皮の下にある3~4mmの真皮層に存在しています。末端というと、一般的には手足の先を指しますが、リンパの場合はこれら毛細リンパ管が末端であり、ここから老廃物を取り込む仕組みとなっています。リンパドレナージュで皮膚に優しくアプローチするのは、皮膚下のリンパ管に正確に働きかけるためなのです。

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STEP3 老廃物はどうやってリンパ管に入る?

真皮層とコラーゲンの糸で繋がったリンパ管の入口が開くと、老廃物が流れる

毛細リンパ管の入口は、内皮(ふたのような1枚膜)の形状で、真皮層の「繋留フィラメント」と言われるコラーゲンの糸と繋がっています。リンパ管は、このコラーゲンの糸が引っ張られると連動して入口が開閉するという繊細な仕組みのため、圧が強すぎたり手の走行を間違えると入口が潰されて老廃物を取り込めません。そのため、リンパドレナージュは微細なタッチと正確な走行が必要とされています。

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STEP4 リンパの老廃物はどうやって運ばれる?

全身のリンパ管から、最大のゴミ箱『鎖骨上窩リンパ節』へ流される

細胞から排出された老廃物は、全身に張り巡らされた「リンパ管」に取り込まれ、「リンパ液」によって運ばれます。リンパ液は腋窩、鼡径部、膝下などの「リンパ節」を通り、最後に鎖骨下静脈と合流する「鎖骨上窩リンパ節」に運ばれて、静脈角にたどりつき、体外に排出されます。リンパ液の流れはとても緩やかで1分間で進むのは約24cm。そのため、リンパドレナージュではリンパ液のスピードに合わせ、ゆっくりと施術を行います。

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