自然療法でダイエット! Lesson1

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「エステティック・ダイエット」1

隔月刊「セラピスト」では、11人のセラピストが、自然療法をベースに行うダイエットを、ケーススタディを交えながら紹介しました。現在、クライアントの健康を維持・向上させ、外面だけでなく内面も美しくするセラピストのダイエットが注目を集めています。そこで当時掲載した記事の一部を再録し、紹介します。


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エステティックサロンには、ダイエットを望む女性たちが絶えることなく訪れています。単に痩せることのみを目的とせず、心身共に健康で魅力あふれる人間作りをサポートするため、バリニーズマッサージやリンパドレナージュなどの10種類のトリートメント、食事指導、メンタル・ケアを行う鎌田千華さんに、エステティック・ダイエットを3週間にわたり解説します。
(この記事は、「セラピスト」2004年8月号に掲載したものです)

高学歴の女性たちのストレスをケア

サロンを訪れるお客様のほとんどは、ある程度学歴が高く、職場でも地位のあるキャリアウーマンだったり、完璧に家事をこなし、学歴社会に育つお子様たちを一人前に成長させた主婦、スタッフに気をくばりながら経営をなさっている事業経営者だったりします。彼女たちのほとんどが人を管理し指示を出す立場であるため、人から相談を受けることはあっても、周りの人に心の内をすべて吐き出すことはできないのでしょう。つまり、感情的になることが少なく、理性が働く方が多いようなのです。

彼女たちは経済的に余裕がないわけではないので、ストレス解消に休暇をとって海外でのんびりなさることもあれば、仲間と出かけ美味しい食事をしたりショッピングをされているようです。満たされない感情を過食で満たす解消法は、一番避けていただきたいのですが、キャリアウーマンたちの肥満が増えていることは事実です。もっとも良い解消法の中には、森林浴や絵画鑑賞、クラッシクコンサートなどの音楽を聴きに行くなどありますが、そのひとつにエステティックがあるのです。

本来、人間は生まれたときから愛情あふれる両親や、家族、恋人とのスキンタッチによって、触覚と心を成長させてきたのです。エステティックによるスキンタッチ、五感を刺激するトリートメントが、乱れた生体リズムを取り戻すことは実際に認められ、介護の世界やリハビリテーションの一つとして活用されています。

今やエステティックは、単に表面を美しくすることだけではなく様々な生体への作用が認められ、医療の面でもとりいれられているのは皆様もご存知のことと思います。五感とは、視覚から飛び込んでくるサロン内のカラーコーディネイトや雰囲気、ミュージックテラピーによる聴覚への刺激、アロマテラピーによる嗅覚への刺激、ハーブティーなどによる味覚への刺激、そしてスキンタッチによる触覚器への刺激です。この最後のスキンタッチによる効果こそが、私たちエステティシャンの最も大切にしているこだわりであり、人間性を回復させる最も重要な鍵を握っています。

 

また私たちは、サービス業の醍醐味である来訪者中心療法を行い、あくまでお客様の欲求を満たす顧客満足度に重きをおかなくてはなりません。常に傾聴、受容、共感を、そして心の浄化(カタルシス効果)をしながら、お客様が自分自身で気づき自分を理解し、自分なりの解決方法をみつける手助けをするという重要な役目を持つのです。

肥満を導くストレス構造を知る

ストレスがたまると、人間の体は視床下部から副腎皮質ホルモンのコーチゾールを出すよう指令が出されます。これは、ストレスを和らげようという生体の防御反応(=ホメオスターシス)です。私たちの体は自律神経系・内分泌系・免疫系の各所で、このような働きが起こります。たとえば飢餓や絶食、失恋、対象喪失といったストレス状態の時、この生体のホメオスターシスが活性化され、視床下部、脳下垂体、副腎のそれぞれの器官から様々なホルモンが分泌されます。ところがこれが続くと、コーチゾールがどんどん出てエネルギーを増大させるために、血糖値を上げてしまうのです。これが肥満や糖尿病の原因となります。

また、脂肪細胞で作られるレプチンというホルモンがあります。これは長い人類の歴史の中で、低栄養状態や食糧不足をいち早く脳に伝え、来るべき飢餓状態に備えるための重要なシグナルとして働いています。そして食欲を抑え、エネルギー消費を増大させ、体脂肪のみを減少させるのです。このレプチンの血中濃度は、太っている人ほど高いことがわかっています。しかし、この伝達メカニズムが正常に働かないために、肥満を引き起こすこともわかっています。ストレスや、その他の食品などから入ってくる有害物質により、生体のメカニズムが狂わされていることも、近年の研究によって多くの事例が発表されています。

現代の人間の生活は筋肉運動から頭脳労働へと変化しました。もともと神経と筋肉は動物の進化と共に発達してきたものなので、筋肉を使わない生活は生体的にはアンバランスな状態になります。このような生体の道理に反することを行っているため、私たちの体の免疫力は、大変低下しているといわれています。ところが、五感に働きかけるトリートメントによって、医療だけでは解決できない症状が回復に向かう例が増えているのです。つまり、事務的処理ではなく、いかに生体に対して働きかけるかが、良い結果に結びつくポイントになるのです。

エステティックでのダイエット

ダイエットとは、もともと体重調節を考えた食事療法や食養生という意味で、食事制限や減食という意味ではありません。ダイエットをして体調が崩れる、過食症や拒食症になる、あるいはリバウンドをするのは生体のバランスを無視した方法の結果であって、正しく行えば体がリセットされ、いかに今まで過食であったかを理解できます。そこで私がお勧めしているのは”マクロビオテック”に基づく食事法です。私自身も実践していて、今までの食生活で乱れていた体が、正しい食生活でこんなに喜んでいると実感しました。

この”体のリセット”に気づいていただけたら、ダイエットは成功です。自ら率先し実行する意欲が出て、気分も高揚し元気に活躍していただけるでしょう。心身共に健康で美しい魅力ある人間でいられるお手伝いをするのが、エステティックのダイエットなのです。

ダイエットを目的とした施術は、次のような順番で行います。1コンサルテーション、2手のひら診断・経絡測定、3トリートメント決定、4採寸、5体脂肪測定、6トリートメント、7ホームケア、および食事のアドバイス。

お客様の中には体重を気になさる方がまだ多いのですが、体脂肪率とサイズ、メリハリのあるプロポーションメーキングに重きがあるということを理解していただいております。物質代謝の水が増えても、筋肉がついて引き締まっても、体重は増えることがあります。いかに体脂肪を標準値に近づけて筋肉量を増やし、基礎代謝量を引き上げていくのか、そして醜いセルライトを排出させ、むくんだ体をスッキリさせるかが大切なのです。

著者プロフィール

鎌田千華(ソワン ド テージャス代表)

ヘアサロンにてフェイシャル・ネイルアート・メイクを担当後、フランスの皮膚科医Dr.ルノーと出会い、エステティックへの道へと進む。(株)ラフォーレにてサロンの技術指導・セミナーを開催、龍宝興産(株)東京ゴールデンドアにて接客業務、(有)グリーンフィールド日原皮膚科クリニックにて、メディカルエステを担当後、1995年、リラクゼーションサロン「ソワン ド テージャス」を設立。ベルエポック美容専門学校・東京医薬専門学校講師としても活動中。日本エステティック協会認定エステティシャン、CIDESCOインターナショナルエステティシャン、リンパドレナージュ認定資格、バリニーズマッサージ認定資格他多数の資格を持つ。

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