セラピスト2月号第1特集連動記事 しょうがで身体ぽかぽか…その実体は?

投稿日:2015年12月29日

健康意識の高い人の間では、タマネギで血液がサラサラになったり、しょうがで身体が温まることは、もはや常識でしょう。ですが、そこには意外な落とし穴が…!『美しいカラダは「玄米の食べ方」でつくられる』(総合法令出版)の著者であり、食養生をベースにした食改善指導で多くの人を健康に導いている健康管理士の千坂英樹さんに、衝撃の事実を伺いました。

取材・文◎本誌編集部

 

タマネギは摂りすぎると血液が薄くなる!

 タマネギ特有の香りや辛みの元となっているのは、「硫化アリル」という栄養素です。硫化アリルは、血液凝固を遅らせる働きがあるため、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの予防になることで知られていますね。”タマネギで血液サラサラ”は、医学レベルでも検証されている事実です。

 ですが、摂りすぎると、サラサラを通り越して、血液を薄くしてしまう傾向があるのです。血液ドロドロの状態はよくありませんが、健康な血液には、赤血球や白血球などの構成成分が正常値で含まれる、適度な濃度が必要。血液が薄くなると身体が冷えて活力がなくなり、それが高じると貧血になります。

本物の健康には、”血液がきれい”であることに加え、”血液が元気”であることが大切なのです。血液を元気にするには、身体を温めて造血する食べ物を食べることです。

 

しょうがで”体温上昇”は一時的!?

 身体を温める食べ物として真っ先に思い浮かぶのは、しょうがかもしれませんね。寒い冬や風邪のシーズンには、大活躍する食材です。
しょうがに含まれるショウガチオールやジンゲロールという成分は、血管を拡張して血流をよくするので、確かに体温が上昇します。
しかし、それは一時的なこと。しょうがは、肉や魚の臭みや毒素(酸性物質)を消すなど、薬味として使うことで活かされる食材であり、それ自体で造血できるわけではありません。

 長い間、多量に摂り続けたり、動物性食品を摂らないのにしょうがばかり摂っていると、逆に身体が冷え、慢性的な低体温体質になってしまうのです。

冷えを治したくて、しょうがを使った健康食品やお茶を摂っているのに、なかなか冷えから抜けられない、という女性は、意外と多いのではないでしょうか。私のところにも、毎年何名かは必ず、そのような方が相談に来られます。この事実を伝えると驚かれますが、指導通りに食生活を改めていただくと、10人が10人、改善します。

 

“元気”と”きれい”の両方が健康の秘訣

 身体を温めて血液を造り、元気にしてくれる食べ物には、以下の2種類があります。
①肉や魚介などの動物性食品
②火を通した根菜(大根、人参、ごぼう、れんこん)、みそ、梅干し、玄米(発酵させたものか、長時間炊いたもの)、肉厚の海藻(こんぶ、ひじきなど)

 ①は、血液を元気にしてくれますが、同時に、血液を汚す(酸性に傾ける)ので、食べる際は、野菜やハーブ、青汁、薬味、きのこ類などで毒消し(酸性を中和)してください。
②は、血液を元気にし、同時にきれいにもしてくれる、すばらしい食品です。日本人が昔から食べてきた伝統食がこれに当たります。

栄養素だけではなく、血液を元気にするかどうか(陰陽の尺度)、血液をきれいにするかどうか(酸アルカリの尺度)を知って、毎日の食事に活かせば、大きな病気をすることなく、誰もが健やかな生活を送れるでしょう。
いまの時期なら、けんちん汁などがおすすめですね。

 

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