磯部百香さん&小澤智子さんに訊く!
これからのサロンに必要な「オンライン活用」とは?
(セラピスト8月号連動企画)

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『セラピスト』2020年8月号(7月7日発売号)では、世界中を騒がせている新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ「サロン緊急事態に生まれた 新しいセラピスト・スタイル」を特集しています。記事内ではオンライン活用をいち早くサロンに取り入れ、行動に移した、アロマセラピーサロン フルムーンライツを主宰する磯部百香さん、サロン&スクール・エフェクティブタッチ代表の小澤智子さんに、オンラインツールの活用方法を詳しく解説してもらいました。
これからのオンライン化に向けセラピストが知りたい「2つの疑問」について、本誌ではお届けしきれなかったお2人の回答をWEBでご紹介します。
構成◎本誌編集部

セラピスト誌で紹介!

教えてくれたのはこのお2人!

磯部百香(いそべももか)さん

アロマセラピーサロン フルムーンライツ経営。アロマセラピスト。Zoom導入やセミナー開催支援を行う。狭山市ビジネスサポートセンターITアドバイザーも務める。著書に『おうちサロンのはじめ方』(ナツメ社)がある。

小澤智子(おざわともこ)さん

サロン&スクール・エフェクティブタッチ代表。英国IFA認定アロマセラピスト、認定心理士で、セラピスト支援団体「セラピストの会・JOINUS」(登録セラピスト数3,000名以上)主宰。著書『フェイシャル・エフルラージュ』(小社刊)。

サロンサービスの補完になり、予約や売上げに繋がる内容がおすすめ

Q. 今回オンラインによるビジネスチャンスが再発見されましたが、セラピストがオンライン発信を考えるとき、どんなコンテンツを提供すればよいでしょうか。

磯部さん

サロンサービスの補完となり、予約や売上げにつながる内容がおすすめです。例えばストレッチや身体のゆがみチェックなど、身体の不調の改善になる内容を発信することで、自身の運動不足やケア不足を自覚していただけ、予約につながりやすくなります。トリートメントをしている施術風景を見ているだけでも、受けたくなる効果を生むことも。他に、お顔のセルフケアやメイク、フェイシャルマッサージなどのレクチャーを行うことで『使いたい!』と思ってもらえ、非接触の時期でも物販(通販)として収益につなげていくことができるでしょう。

ただし、精油を使ったクラフト作りなどは薬機法などを守って行うことが必要となるため注意してください。

サロンサービスの一環としてのオンライン化であれば、まずは既存のお客さまとメールやLINE公式などでコミュニケーションを取っておき、ニーズを探ることが大切です。1回来ただけの方や新規顧客より、長く通っていている常連さんや最近、頻繁に通っているリピーターさんに特典や金額の差を付けるのもオススメです。

小澤さん

緊急事態宣言下の4・5月頃にはオンラインのツールを初めて使う人が多かったので、オンライン系の勉強会は大変人気が高かったです。無料と有料の勉強会を両方とも開催しましたがどちらも大人気でした。休業当初は単純な操作方法の勉強会でしたが、だんだん皆さんの要望がレベルアップしていき「オンラインミーティングを主催する方法を知りたい!」「オンラインセミナーを開催するには何を準備すべきか?」など、どんどんビジネスにつながっていくようなリクエストが増えていきました。

「何をオンライン化したらよいですか?」というご質問は、そこでもとても多かったのですが、“今、自分が持っているもの、やっていること”をコンテンツにしていって欲しいですね。「私には何もないです」という人も多かったのですが、そんなはずがないのです‼︎ 日々、サロンでお客さまにお伝えしていることが全て、あなたのコンテンツになりますので、それを動画にしてみるなどの工夫をしていって欲しいです。「考えるより、まずはやってみる」、そこから新しい創意工夫が生まれてきますのでまずはトライしてみましょう!

これから少し先のセラピー業界はどんどん淘汰されていく

Q. 全国の緊急事態宣言も解除され、少しずつ「新しい生活様式」が始まりつつあります。アフターコロナの活動やオンライン活用は、どのように変化していくと考えますか?

磯部さん

今後、便利で、安全で、高い満足度が提供できるオンラインのプラットフォームが増えていくことが考えられます。集団でのセミナーやイベントは、リアルの体感が欠かせないもの以外はオンラインが主流になる可能性も高いです。1対1や小人数での対面は徐々に以前の様にできるようになると思いますが、リモートワークやオンラインの便利さを経験した層は、オンラインの需要が高くなると考えられます。

会場の手配、移動、集客のリスクが少ないオンラインは主催者にとって開催のハードルが低く、参加者もオンラインに慣れてきて、移動の時間や金額的な負担減、感染リスク減などを実感すると、リアルのイベント自体には簡単には参加しなくなるかと。 だからこそ“リアルでないと参加する意味が無いもの”の価値もまた高まるはずです。

その一方で「絶対に会って、接触しないと不可能」と言われているようなセラピーも、オンラインで同じような効果が出せる方法を模索することで、新たな可能性が生まれることもあるでしょう。オンラインで可能だったセラピーは、よりオンラインに最適なシステムの開発が見込まれます。 今後は、今までに提供してきたセラピーメニューをどうオンライン化していき、効果や結果を出せるようにするかというセミナーも需要が増えるはずです。

小澤さん

オンラインの活用は、今後はオフラインとオンラインのハイブリッド型になっていくのではないでしょうか。理論や座学の部分はオンラインで、実技系はオフラインで。両方を上手く活用した展開になっていくと予想します。

ワクチンや薬の開発ができるまでのコロナ後の近未来の活動は、「安心・安全」がキーになると感じています。お客さま1人ひとりの安心安全は違います。パーソナルセラピストとして個々人の安心安全に寄り添うことが大切になってきます。お客さまとの信頼関係をより一層深めていくことが、今後のセラピスト活動には必須条件になってくることでしょう。

そして、これから少し先のセラピー業界はどんどん淘汰されていくと思います。業界全体が今まで以上に協力し合うことが必要なフェーズになると考えています。自分のテリトリーや枠を取っ払って手を取り合っておこなう事業や活動が増えて欲しいです!

またセラピストの個人的なスキルとしては“自立力”がキーになるでしょう。「自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する」。他人と比べなくていいのです。自分軸をしっかり持つこと。これが今後セラピストに求められることだと感じています。「自分を信じてください! 自分が感じるがままに決めてください!」自分を信じることが大事です。自分軸ができれば個性がより一層出来上がってきますし、よりパーソナルな関係が構築されるでしょう。


これからのセラピー業界、そして社会的にも大きな割合を占めていくであろう「オンライン活用」。本誌では、目的別のツール機能やトラブル・シューティングについても詳しく解説していますので、サロンビジネスの拡大、そして第2波に備え知識を身に付けておきたい方は、是非そちらも併せてご覧ください。

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