お客さま目線で考えよう!
小さなサロン経営で見落としがちな3つのこと

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セラピスト8月号」では、小さなサロン普及協会代表理事を務める関口智子さんに、「お客さまの声をキャッチし、リピーターに愛されるための心得」について伺いました。さらにここでは「サロン経営で見落としがちなこと」について詳しく紹介します。お客さまが不安にならないためには、きめ細やかな対応と、行き届いた接客が大切です。お客さまの満足度アップを目指すためにはどんなことが必要なのでしょうか。今回は「おもてなしの準備」について、次に「プラスαの一言と先読みしたお声がけ」の大切さをおさらいし、最後は「お礼メール(アフターフォロー)」の3つの項目に分け紹介します。自身のサロンを見直すためにお役立てください。
構成◎本誌編集部

1. おもてなしの準備

お客さまがサロンへ来店したところからが接客のスタートだと思いがちですが、実はその前からおもてなしは始まっています。お客さまがサロンへ来店し、不安にならないための動線とその際に必要な準備をイメージしておくことが重要です。ここからは8つのシーンに分け、それぞれのポイントを紹介します。

1

ご予約時にできること

予約方法

  • ご新規様  :お電話・メール
  • リピーター様:お電話・メール・来店時次回予約

ご予約をしてくださったお客さまに対し、お電話やメールで心のこもったおもてなしをしましょう。お電話では、相手の表情が見えないため、声のトーンを1トーン明るくすることも大切です。また、メールでは、来店時の不安を軽減するため、「確認事項」を記載しておくのもいいでしょう。

例)「確認事項」

以下の該当がある場合は、施術を受けかねる場合があります。

  • 治療目的でのご来店
  • 妊娠されている場合
  • 医師より施術を止められている既往症をお持ちの場合
  • 飲酒後の施術
  • 風邪の症状(くしゃみや咳が出る)がある方
  • 37.5度以上の熱がある方
  • 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさがある方
  • 咳、痰、または胸部に不快感のある方
  • 過去14日以内に、政府から入国制限、入国後の観察期間を必要と発表されている国・地域等への渡航者の方、並びに当渡航者との濃厚接触がある方
  • 味覚および嗅覚にいつもと違う変化がある
  • その他新型コロナウイルスに感染している疑いの症状がある
2

来店手段の把握

  • お客さまの交通手段把握(当日の天候、交通の乱れなどすぐに対応できるように)

お客さまの交通手段を把握しておくことも大切です。交通の乱れなどがあった場合、すぐに対応することができます。また雨天の場合は、サロンの受付へ小さなタオルを用意するなど、プラスαのおもてなしをすることもできます。お客さまに対して、心のこもったサービスをするためにも、お客さまの交通手段を把握しておきましょう。

3

カウンセリング&ウェルカムティー

  • ウェルカムティーは温冷選べるように
  • カルテ記入、本日の体調確認、コースの流れ確認

その日の体調を把握するためにも、カルテの記入や体調確認は重要です。また、コースの流れをお伝えすることで、施術を受ける前にお客さまが頭の中で流れをイメージできるため、初めて受けるコースに対する不安も軽減するはず。

4

施術

  • 室温調整、強さ確認、呼吸誘導(リラックスできる状態をこちらから誘導)

人によって感じ方が違うため、室温、強さ、呼吸はしっかりチェックが必要です。また、同じお客さまであっても、その時の体調や気分によっても、感じ方が異なります。「ちょっと寒いです」や「少し弱くしてください」の一言が言えないお客さまも少なくないはず。そう言ったお客さまが我慢して施術を受けることがないように、キッカケを与えてあげることが大切です。

5

フィードバック&ティーサービス

  • 施術で感じたクライアントの様子を伝える
  • ホームケアアドバイス
  • オススメ商品

お客さまは、自分自身の状態を全て把握しているとは言えません。「今日の身体の状態はどうだったのか」「どこが凝っていたのか」また、「日頃どんなケアをすれば良いのか」「どの商品があっているか」など、お客さま自身の身体のことをしっかりフィードバックして差し上げましょう。

6

お会計・次回来店促し

  • 釣り銭用意
  • 領収書発行(ゴム印付)
  • 収入印紙
  • 次回来店促し
  • 名刺・リーフレット

現金でのお支払いの場合、釣り銭を用意しておくことも忘れずに。また、次回来店への促しもサロン経営では大切です。お客さまが「また来たい!」と思った時に、一番良い方法が予約をしておくことです。そのお客さまがお身体のメンテナンスをするために最適な日をお伝えしましょう。

7

お見送り

  • 見えなくなるまで

どんなお見送りをしてもらうと嬉しいでしょうか。「お迎え3歩お見送り7歩」という言葉がありますが、「ありがとうございます」だけではなくプラスαの言葉をくれ、見えなくなるまで見送ってくれているととても嬉しい気持ちになります。

8

後日お礼

  • メールにて即日お礼
  • 季節やキャンペーンに応じてDM発行

サロンを出られてからも接客は続いています。サロンでの余韻を感じていただくためにも、体調を気遣ったり、お礼をお伝えすることが大切。さらに、お客さまがあなたのサロンを忘れてしまわないためにも、季節やキャンペーンに応じて、DMなどをお送りすることも大切です。

2. プラスαの一言と先読みしたお声がけ

お客さまを不安にさせないためには一歩先の誘動やお声がけが大切です。お客さまが行動する前のベストなタイミングでお声がけができるよう心がけましょう。また、お馴染みの接客用語だけでは、少し物足りなさを感じます。“その時のそのお客さま”の状態に合わせた一言をプラスして、お客さまに安心感を感じていただきましょう。

プラスαの一言

「いらっしゃいませ/こんにちは」
+「雨の中、ありがとうございます」
+「暑い中、ありがとうございます」
+「お待ちしておりました」
+「体調お変わりないですか?」
など

先読みしたお声がけ

「靴をお脱ぎいただき、スリッパへお履き替えくださいませ」
「靴はそのままで結構です」
「お部屋はこちらでございます」
「お荷物はこちらにお入れくださいませ」
「コートをお預かりいたします」
「こちらのソファにお掛け下さいませ」
など

お客さまが行動される前に、いつもの接客用語に少しプラスするだけで、お客さまへ歩み寄る姿勢が感じられます。また、お客さまの動線を意識し、先読みしたお声がけをすることで、お客さまが接客のラインにスッと乗り、迷わず施術を受ける準備ができます。

3. お礼メール(アフターフォロー)

来店後は、お礼メールを送りしましょう。心のこもった文面で、そのお客さまに合わせたセルフケアなどをお伝えすることで、サロンで過ごした時間を思い出してくれるかもしれません。
最後は、サロン来店後に送るお礼メールを紹介します。

例)
〇〇様
こんばんは、〇〇サロン〇〇です。
本日は、暑い中ご来店いただき、誠にありがとうございました。
その後、お身体のご様子はいかがでしょうか。

肩の凝りだけでなく、頭皮もかなり張っていらっしゃいました。
毎日のお仕事で目を使うため、お疲れが溜まっておられるようです。
本日は、ゆっくりお休みくださいませ。

お仕事の合間にオススメのケアをご紹介します。
・ハンカチに包んだカイロで目を温める
・肩を大きく回す
・ 手と前腕をハンドマッサージする
ぜひ、お試しくださいませ♪
また、当サロンの〇〇コースも〇〇様に、ぜひオススメです。
次回お越しの折には、お試しいただけましたら幸いです。

〇〇様のご来店を心よりお待ちいたしております。
まだまだ暑い日が続きます。
どうごご自愛くださいませ。
本日はありがとうございました!

プロフィール

関口智子 せきぐちともこ大手リラクゼーションスクールにてスタッフ育成インストラクターとして勤務後、癒しの自宅サロン「Natural Happy」のセラピストとして独立。『受ける禅』として、「ジャパニーズオイルセラピーAtsu」を開発。現在まで述べ4,000人のセラピストを育成した。「小さなサロン普及協会」主宰。

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