ハーブの熱と薬効を
絶えず全身に巡らせる

東京の下町・葛飾区と、緑あふれる森林や里山に育まれた長野県上田市。この２つの場所で学び、受けることができる「キリ経絡トリートメント」が注目を集めています。アーユルヴェーダのハーブボールセラピーである〝キリ〟と、中国の〝経絡療法〟とを組み合わせたこの技法について、サロン＆スクール「りょうか」の石井夫妻は次のように語ります。

りょうか東京サロン【綾香】は妻の綾さんが、そしてりょうか長野サロン【良家】は夫の良さんが中心となり運営している。

施術中は、この〝キリ一組〟を両手に持ち、もう一組をホットプレートで熱します。そして数十秒ごとに取り換え、絶えず熱を身体に入れ続けることで、体内の細胞は活性化してゆくと言います。

「鎮静作用や新陳代謝の向上、筋肉疲労回復、老廃物の排出など、さまざまな効果が期待できます」（夫・良さん）

20時間に及ぶ講座では、解剖生理学やコンサルテーション、キリの技法、さらに生徒自らがハーブとスパイスでキリを手作りしたり、全身を流注する経絡経穴についても学びます。スキルを身につけ、90分のトリートメントを行えば、すべての経絡にアプローチできるようになるのです。

「卒業生の中には、セラピスト経験のない方もいれば、美容師でご自身のサロンに導入した方もいますよ。私自身もアロマセラピストだからよく分かるのですが、オイルマッサージ、カイロプラクティック、整体、鍼灸など、どのセラピーとも組み合わせることができるのです」（妻・綾さん）

卒業生に対するサポートも手厚く、今年４月に設立した「一般社団法人Recovery Of The Trinity協会」（石井良代表理事＆石井綾技術責任者）が、さまざまな形でバックアップ。その中の一つとして東京と長野、二つの拠点を行き来し、共に学び仕事を生み出す、セラピスト同士のコミュニティが生まれています。そこには、ただセラピストを育てるだけでなく、身につけたスキルを活かせる場を提供したい。そして、全国に〝癒しの輪〟を広げたいという、二人の壮大な想いがありました。

スキルアップ＆ビジネスチャンスに！スクール「りょうか」でこんなことが出来る！

キリ経絡トリートメントを構成する三本柱、手技やメニューの特徴、卒業後のサポートなど、スクール「りょうか」の特徴を紹介します。

キリ＋経絡アプローチ＋おもてなし。三本柱で効果を生み出す！

インドのアーユルヴェーダ医が、十数種類のハーブとスパイスを処方し作ったキリ。その症例は不眠、うつから生理不順、マタニティケア、美肌まで多岐に渡る。講座では生徒自らの手で少しずつ表情の異なる愛着あふれるキリを作成。いずれ手作りキリの「ホームケア講座」も開講予定だ。

経絡経穴にアプローチする技法はさまざまあるが、全身の経絡経穴に熱を流し続けるトリートメントは希少。顔面部には大腸経や小腸経など多くの経絡が存在するが、りょうかでトリートメントを学ぶことで、顔に流注するずべての経絡にアプローチすることができるようになる。

キリに出合うまでは、アロマセラピストだった綾さん。そのキャリアを存分に活かした精油を使ったトリートメントは、極上の癒しをもたらしてくれる。日本人ならではのおもてなしも、キリ経絡トリートメントを構成する大切な要素となる。

５つの手技を使い細胞を活性化！

キリの施術は、以下のA～Eの５つの技法により成り立つ。熱したばかりのキリは、熱いうちにポンポンとリズミカルに押し当てる（A）。熱が少し下がってきたら、左右の手で同時に流す（B）または、片手ずつ交互に流す（C）。このBとCを、部位によって使い分ける。続いて写真のように軽く押し当てて（D）、徐々に熱が冷めてきたら、凝りをほぐすように深部までグーっと押し当てる（E）。この一連の動作を、各部位に行う。

どんなメニューにも融合できる！

整体、ボディワーク、伝統療法、エステティックなど、身体にアプローチするメソッドは数多いが、それらのどの手技とも相性が抜群。もちろん心理カウセリングなどの心の専門家や、美容師のようにセラピストではない人も、キリを活かすことができる。「ご自身の技術と組み合わせて、どんどん進化させて、オリジナルのメニューを作って欲しい」（良さん）。

卒業後のサポート充実！ 二拠点交流も！

セラピストの仕事は、資格を取ること＝ゴールではなく、そこからが本当の始まりとなる。そのため、卒業生のサポートもスクールの重要な役割と考えている。経営面や技術面のサポートのほか、長野県内のマルシェやアースデイ、都内のEXPOなどにブースを出展し、卒業生の活躍の場を提供している。また、東京と長野で学んだ卒業生が交流することで、さまざまなコラボレーションと新しい仕事も生み出している。