こんにちは。編集部のMBです。
昨日、セラピスト8月号の撮影があり、代々木公園(東京都渋谷区)に行ってきました。前日の暴風雨からうってかわっての晴天。日焼けこそ心配でしたが、シャツ1枚で心地よく過ごすことができるまさに“ロケ日和”な日でした。
“心地よさ”の理由は天気に恵まれたことだけではなく、何といってもこの代々木公園の木々や植物の存在。昭和42年に開園(全園開園は昭和46年)したこの公園は、東京オリンピック選手村の跡地を利用して作られたもので、隣接する明治神宮の森と合わせると東京ドーム約27個分の面積があるそうです。東京の真ん中にこんな“森”が存在するなんて、ありがたいことです。まさに都会のオアシスです。
森といえば、そう、「セラピスト」で連載「人と自然をつなぐ、日本産精油」をもたれている稲本正氏。日本の森と日本産精油のパイオニアです。実は今回の撮影はこの連載のため。8月号(7月5日発売)では対談形式で“森のいのち、人のいのち”をテーマに日本産精油の未来を考察しています。楽しみにしていてください!
撮影の最中、稲本氏は代々木の森を歩きながら目にする木や植物についていろいろ解説してくださいました。楓の名の由来、このソメイヨシノがクローンであること、赤松・黒松の見分け方などなど……。昔からよく来ている代々木公園でしたが、発見ばかり。恐縮ですが、なんだか得した気分です(笑)。
そんな中、ちょっとほっこりしたお話が。
園内には桜の木がたくさん植えられている「桜の園」というエリアがあるのですが、そこに、ちょっと不自然な形で桜の実がまとまって落ちている(置いてある?)場所がいくつかありました。熟して実が落ちたという感じではなく、枝葉の先あたりからプチッと切り折られたような。
「なんでしょう。剪定したんでしょうか」(編集部MB)
「いや、違うなぁ。これは多分……」
「カラスの間で流行っている遊びなんじゃないかな。カラスってさ、こういうことするんだよ、遊ぶの。多分これ、カラスたちに今人気のゲームかもね(笑)」(稲本氏)
「へぇ~、楽しそう、たくさん集めた俺の勝ち~、とか(笑)」
カラスは頭がいいと言われているので、本当にそんなゲームを楽しんでいたのかもしれません。もしくは、何かの取引の対価として使うなど、もっと高等な……!? そう思うと、カラスがいとおしく思えました。都会のカラスは何かとやっかい物あつかいされがちですが、それぞれにきっと言い分があるはずと、勝手に想像し笑ってしまいました。
こんな風に木々や植物、生き物に関心を寄せながら歩くと、毎日の風景が少し違って見え、なんだか前向きな気持ちになります。“森のいのち、人のいのち”というとちょっと大仰に感じますが、実はとっても身近なテーマなのだと気づきました。