眠れぬ夜、身にまとうのは「シャネル 」じゃなくて「クロモジ」です −“ゆる身土不二”実践中の私−

投稿日:2019年8月29日

こんにちは。セラピスト編集部のバラールです。

次号(セラピスト10月号/96日発売)の編集作業が終わり、ひと段落ついているところ……と言いたい所ですが、すでに次の号に向けての編集作業が始まっており、なんとなくソワソワしています。

本人が意識していなくても、神経は高ぶっているのでしょう。夜ベッドに入っても、あーだこーだと頭の中に懸案事項がかけめぐり、なかなか寝付けない時があります。8月の特に忙しかった時期は、暑さもあいまってそんな日が多くありました。

こんな時こそアロマの出番です。ただ今ゆる身土不二を実践中!の私が寝付けぬ夜に愛用していたのが、「クロモジ」(飛騨)と少しの「ハッカ」(北見)の精油。これらの精油をブレンドして作ったマッサージオイル(キャリアオイルは米ぬか油)で、寝る前に肩や首筋、ひざ下をスルスルとさすります。

セラピスト編集部ブログ黒文字とハッカ

疲れているのでモミモミッと力をかけてマッサージする元気はないのですが、さするだけで十分。クロモジの森を思わせる深い香り、それでいて花のような甘い香りになんだかとてもホッとします。ハッカの清涼感も、続く熱帯夜に最適で、横になり上を向いて肘下をさする頃にはウトウト。あっという間に自然に心地よく眠りにつく事ができました。

そういえば、かつて、マリリン・モンローが「寝るときには何を着ていますか」という記者からの質問に、「シャネルの5番よ」と答えたというのは有名な話ですが、これ、返答としてお洒落でセクシーなだけでなく、実はとっても理にかなったリアルな回答だったのでは、と思う今日この頃。マリリンと言えば、伝記や小説などで知る限り売れてからはメンタル面での問題を抱えていて不眠症だったようですから、もしかしたらシャネル N°5をまとうことで、リラックスして眠りにつく事ができたのかもしれません。シャネル N°5には、香りの成分として抗不安・鎮静作用が期待できるリナロールを多く含む「ローズウッド」が使われていましたから(現在は化学合成香料)。

編集部ブログ黒文字とシャネル

そして、驚きなのが、そのローズウッドの香りとクロモジの香りがよく似ているということ。連載「人と自然をつなぐ、日本産精油」(8月号で最終回)の稲本正さんによれば、それを科学的に実証するために、共同研究していた大学や研究機関で調べてもらったところ、双方とも分析可能な成分においてリナロールがいちばん多く含まれるなど、成分分析結果の波形が酷似していることがわかったそうです。

クロモジは、千利休の頃からお茶の席でお菓子を頂く際の楊枝として使われています。心を落ち着かせてたしなむこの文化にあえてクロモジを採用したのかは分かりませんが、マリリンも利休も、心と身体の奥の方で何かを感じ安らぎを得るためにこの香りを選んでいたとしたら、アロマ、ひいては日本産精油のさらなる可能性を感じざるを得ません。

クロモジとハッカで睡眠不足と夏バテを乗り越えて完成した「セラピスト10月号」は、9月6日(金)の発売です。第1特集は「セラピストのための“認知症ケア”の教科書~予防と対応の全ガイド~」、第2特集 ヒーリングサロンから医療現場までを徹底取材 スピリチュアル療法だから出来ること」、特別企画に「キャリアオイルの選び方、使い方 ~お悩み別植物油ブレンドガイド~」、「結果を出せる HIGUCHI式ヘッドスパ」など、盛りだくさんです!

お楽しみに!

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