こんにちは。編集部のBです。
ブレンド精油には、「リラックスしたい時に」「集中力を高めたい時に」「女性のための~」といった“目的”がタイトルとして付けられているのをよく目にします。アロマの香りは好きだけど何を使えばよいかわからないという時、また、ブレンドならではの香りの発見を楽しみたい時の指標にもなり、私はブレンド精油のタイトルをちょくちょくパトロールしています(笑)。
そんなか、先日“ジャケ買い”ならぬ即効“タイトル買い”してしまった、ちょっとユニークなブレンド精油を紹介したいと思います。
その名も「家康ブレンド」!
そう、このブレンド精油、皆様ご存知の江戸幕府初代将軍「徳川家康」をイメージしたアロマだそう。副題は『~戦国武将達も愛した「伽羅」配合の厳かな香り~』。伽羅といえば沈香の最高級品、キングof沈香!
確かに家康は、香木の集取に非常に熱心だったことが残されている資料からわかっており、徳川美術館には香木だけでなくお香や香道具が数千点所蔵されています。さらに、自筆の香の調合レシピ(「香之覚」)が存在するほど。その造形の深さが伺えます。
さて、そんな家康をイメージした香りとは……。どんな香りでしょう?
メーカーのホームページによれば、アガーウッド(沈香・伽羅)、サンダルウッド、ベチバー、ブラックスプルース、オークモスアブソリュート、フランキンセンスなどがブレンドされていることがわかります。
個人的な感想としては、寺社・仏閣を思わせる厳かな中にも軽やかさ、爽やかさ、そしてほんのり白檀の甘い香りがありーー、教科書の肖像画にあるような熟年家康ではなく、三河を統一した頃という感じでしょうか、徳川家康と名乗りはじめた頃のまだまだフレッシュな家康をイメージしました。
興味のあるかたは、ぜひ調べてみてくださいね。
ちなみに、家康が記した薫物「菊方」のレシピをもとにわかる範囲で再現してみたところ、なんと武将っぽくなく甘めで華やか。かなり意外な好み! やっぱり「鳴くまで待とう~」なタイプだったのかなと思わせる優しく深い香りでした。当時の武将(そこそこ地位の高い)の多くが香を嗜んでいたそうですが、このようなレシピが残されてるのは家康のみ。ほかにレシピがないのはちょっと残念ですが、そもそも武将はブレンドではなく香木をシングルで使っていたのかもしれませんね。家康は今でいうアロマ・ハーブ男子といったところでしょうか(笑)。
家康は75歳で没していますから、平均的な寿命が50歳前後とされる江戸時代の初期にあってはかなりのご長寿さん。国内外の医薬書や養生関連の本を読み、自ら薬の調合も行っていたという家康が実践していた養生法には、きっとアロマとハーブが深く関わっていたはず。茶の湯も嗜む家康ですから、「香の十得」も心得ていたことでしょう。
こんな風に「香り」から歴史に思いをはせるのも楽しいものですね!
引き続き、パトロールを続けたいと思います。お楽しみに(笑)。
編集部B