こんにちは。
編集部のバラールです。
最近、「お香」を楽しむようになり、少しづつ香りの相違である「五味(辛・甘・酸・苦・鹹」がわかるようになってきました。
お香界の香りの頂点といえば「伽羅(きゃら)」です。幾度が香りを聞いたことがありますが、その辛く甘い深い香りはお香入門者ながらも魅了されるものがありました。とはいえ、稀少で高価な香木ですので、残念ながら私のような者がクラフトとして楽しむようなものではありません(初心者でなくとも気軽に扱えるものではありません笑)。
そこで、お香のクラフトなどで一般的によく使われるのが「白檀」です。白檀はアロマの世界でも「サンダルウッド」として人気がありますよね。匂い袋などを作る際には、ほぼこの白檀が配合のメインとなります(失敗しにくいという意味も含めて)。
先日、“冬に似合う匂い袋”を作りました。
お香を調合する際には、イメージする香りにお題をつけます。お題は恥ずかしいので内緒ですが、香りのテーマとしては“キリッと清々しい、でもほんのり甘い香り”を目指して調合してみました。
するとどうでしょう!
出来上がった匂い袋は、どこか覚えのある香りに。あれこれと思いめぐらし、フッとよみがえった記憶。
「これ、仁丹だ!」
そうです、私の調合した匂い袋の香りは「仁丹の香り」だったのです。
気になって仁丹の原料を調べてみたところ、、、
「有効成分:阿仙薬、甘草末、カンゾウ粗エキス末、桂皮、丁字、益智、縮砂、木香、生姜、茴香、ℓ–メントール、桂皮油、丁字油、ペパーミント油」とあり、納得!
この匂い袋には、白檀に加え、桂皮(けいひ)、大茴香(だいういきょう)、丁字(ちょうじ)、木香(もっこう)などを配合しています。なるほど、香りが似ているわけです。日本のお香は、香木の他にこのような「漢薬」も使います。
お香の効果は、“一休さん”が広めた以下の「香十得」が有名です。
・感格鬼神
・清浄心身
・能除汚穢
・能覚睡眠
・静中成友
・塵裡偸閑
・多而不厭
・寡而為足
・久蔵不朽
・常用無障
子供の頃から仁丹の香りが好きでした(子供では珍しいかも!?)。乗り物酔いのケアによく飲まされていたものです。そして父の背広のポケットにはいつも仁丹が入っていました。
仁丹の効能として、口臭や二日酔い、胸つかえのほかに「気分不快」というものが書かれています。そして、原料がちょっと似ているお香にもそのような効果を実感している今日この頃。独特の深いウッディなかおりは心を穏やかにしてくれます。興味のある方はぜひ聞いてみてくださいね(仁丹を?)。
久しぶりに仁丹を買いました。やっぱりこの香り、好きです♡
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