こんにちは。編集部MBです。
セラピスト読者の皆様は「香り」に造詣の深い方が多いと思いますが、「お香」についてはいかがでしょう? 「白檀」などは特段お香に親しんでいなくても、それが白檀だと認識できるほど親しみのある香り。不思議なものです。精油においても白檀は「サンダルウッド」として存在しますが、香ってみると印象が少し違います。こういった違いを感じつつ使い分けるのも、香りの楽しみ方ですよね!
そんなお香。もともと歴史好きな私はすっかりこの“お香の世界”に熱中しておりまして、その香りとともにお香文化の研究に勤しむ日々(笑)。そしてお香の歴史を学ぶうえで必ず耳にする(目にする)のが、伝説の香木、御物「蘭奢待(らんじゃたい)」です。
名付けたのは聖武天皇と言われ、現在東大寺正倉院に保存されている国の宝であります。最近では、大河ドラマ中で織田信長が権力を誇示するために“天皇に許しをもらい”切り取ったシーンで話題になりました。「蘭奢待を切りとれる=それだけの権力者である」ことの証だったようです。
さて、お香や歴史好きな層にとっては有名な蘭奢待ですが、一般的には“知る人ぞ知る”というレベルだと思っていたワタクシ。それがなんとガチャの玩具として発売されていました! もちろん、速攻手に入れました。天下を取った気分です(笑)。
冗談はさておき、ガチャに蘭奢待が存在することだけでなく、ものすごく精巧に作られていることに驚きです(笑)。写真にはありませんが、これまで切り取った人々が蘭奢待に貼った付箋まで付いているのです(足利義政、織田信長、明治天皇)。
実物を見たことがないのでいろいろな角度から蘭奢待を観察することができ、感動です。というか、ガチャとしてニーズがあることに感動と驚きを隠せません!
ちなみに「蘭奢待」という名。この中に「東大寺」の文字が隠されています。なんて雅なギミックでしょう(なぜ東大寺なのかは割愛。Wikipediaなどで知ることができます)。
「ああ、もしかして“お香”、キテるのかも!!」
ーどうなんでしょうか?(笑)
お香文化が盛り上がるのは嬉しいことです! その反面、香木は“どんどん生産する”というわけにはいかない貴重な香原料。ニーズが高まればクオリティ的に信頼できないものもでてきかねません。精油の世界でもそのあたりはよく問題視されていますよね。お香は効果効能というよりは、香りそのものやその世界観を味わうという嗜好が強い部分がありますが、“薫物”ともいわれるように、火をつけて炊くスタイルの物も多くあります。煙が肺に入ることを考えると、やはりクオリティにはこだわりたいものです。
玉石混交と言われる「香り製品」。良し悪しを見極め適材適所で使い分けらるよう、しっかり勉強し続けたいと思います! そして次の目標は、実物の蘭奢待を拝むことです(笑)。
セラピスト8月号(7月7日発売)の特集では、そんな精油とハーブ、香りの「常識・非常識」を、各界のスペシャリストがたっぷり解説。サロンで、そしてセルフケアに役立つ情報盛りだくさんでお届けします。ただいま鋭意作成中! お楽しみに!
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