コロナ禍で、パソコンやスマホに依存する時間が増えていますが、以前は「足で稼ぐ」という言葉が、営業職や出版業界でも当然のようにありました。
自分で動き回り、行動して、成果を得ること――。
そのメリットは様々ありますが、以前、ある雑誌の取材で、失踪した人物をつかまえるために、昔よく通っていたと噂の雀荘に張り込み、インタビューしたことを思い出します。
ジャンルは全く異なりますが、「セラピスト8月号」で取材した、ハンドセラピストの塩田由美さんも、「足で稼ぐ」を実践している人のひとりです。
彼女はセラピストとして活動するだけでなく、地元・辻堂を拠点に、ハンドセラピーをはじめ様々な講座を行っています。その際には、企画を立て、会場を探し、告知をして生徒を募集する……というプロセスがあります。
例えば会場を探す時、ついインターネットに頼りがちになってしまいますが、塩田さんの場合、「指」ではなく「足」も使うのです。
「町を歩いている時も常に周りを観察していて、ここで講座ができるといいな……と思った場所には、飛び込みで打診することもあります。例えば、カフェでしたら自分が行うハンドケアに相応しい環境であるかをチェックします。お店で提供されているメニューも考慮しますよ」(塩田さん)
また、レンタルスペースを探す時には、実際にその場を訪れて、1時間くらい座ってみることもあるそうです。駅に近くて、皆さんが知っている場所かどうかなど、講座を受ける側に立ち、心地良さを確認することも大切だし、場所を提供する方にとってのメリットも考えているのだといいます。
常にアンテナを立て、実際に足を運ぶという習慣は、前職が営業職だったからこそ。
「セラピストの仕事をする上で、人生経験のすべてが活かされる」とよく言いますが、塩田さんの人生経験も、今の仕事に大いに活かされているのでした。
塩田由美さんのインタビュー記事を掲載した「セラピスト8月号」、ぜひご覧いただければ幸いです!
編集部I