こんにちは、編集部のTです。
私事ですが先日祖母を亡くし、お通夜と葬儀に参列してまいりました。100歳には僅かに足りないながら、大往生! 親族一同、故人との思い出を振り返りながら和やかに見送ることのできる式となりました。
さてさて冒頭から少し重たい話題で始まりましたが、本日しんみりモードでお送りするわけではありません(笑)。葬儀というと皆さんはどんなイメージがありますか? 「非日常」「厳か」「セレモニー」など、人生の節目に向き合う“特別な場”を演出する側面もあると思います。でもそれだけでなく、今回葬儀のなかで、ふと自分の聴覚と嗅覚がフル稼動していることに気がついたのです。
読経の声音、リズム、りんの音、焼香の香り‥‥。
最初におやと感じたのは、読経の合間に鳴らされたりんの音でした。空間に波紋を浸していくように、低く、低く、高く。故人への想いに気持ちが向いていた心身に、心地よく音が沁み込み、広がっていくことに心地よさを感じました。「葬儀の最中に心地よさを感じてしまうなんて」と自分に驚きましたが、一度意識してみると、僧侶の読経の声も通常の会話や歌とは違う、音波を浴びているような感覚を引き起こします(お経が「バイブレーションセラピー」として活用されているのにも納得でした)。
そして焼香。これはもう誰もが嗅いだ瞬間に分かる、心落ち着く香りですね。一般的に沈香、白檀、丁子など香りの良い木でできている焼香は、燃焼させることでなく香りを立てることを目的としています。私もこの静かな匂いが大好きでです。
音と香りに満たされた空間で、参列者は数時間を過ごします。そこには淋しさや悲しみを抱く人々にさりげなく寄り添い、心を落ち着かせ、癒すための役割があるのだろうなと感じました。私たち人間はその装置・空間作りを見出し脈々と活かしてきたと思うと、セラピーは、そしてセラピストって本当にエッセンシャルワーカーですね。思いがけず、深いところで癒された体験でした。
5月7日に発売された『セラピスト6月号』でも、「音楽」と「アロマ」と「癒し」をテーマに特集しております。音と香り両方を取り入れることの可能性について、さまざまなアプローチを紹介していますので、特に「一方にしか注目していなかった」という方はチェックしてみてください。精油とともに楽しめる付録CDにも注目ですよ〜♪(^^)