2013年も、早いもので残り2カ月。
本誌の編集作業も1月に発売する号を作るための、年末進行の時期になりました。
来年はセラピー業界にとって、どのような年になるのでしょうか?
サロンに通うお客さまが増え、その目が年々肥えている現状を考えると、セラピストの質の向上は欠かせません。
サロンやスクールで、講師兼セラピストの方と話をしていると、「伸びる生徒と伸びない生徒の違いは何だろう?」という話題が出ることがあります。
もっとも多い意見は、「積極的に質問をする人は伸びる」という声。
何事も吸収しようとする貪欲な方は、やはり伸びるようです。
「学んだことを積極的に人に伝えようとする人も伸びます」という意見も納得です。
また、「将来何がやりたいのか、ビジョンが定まっているかどうか」も伸びる伸びないの大きな要素の一つになります。
セラピストの仕事が注目されるようになった10年ほど前に、次のようなことがよく言われていました。
「手に職をつけたい。華やかそうだから。このような理由でセラピストを目指す人が増えているが、目指す理由が憧れだけだったり漠然としているため長続きしない……」
もちろん、はじめのきっかけはどうであれ、セラピストを目指す過程で、明確な目的意識が芽生え、「伸びる生徒」になる可能性もあります。
しかしながら、単なる憧れだけでセラピストを目指し、学びの過程やデビュー後に現実との違いに気づき、挫折していくケースも見られるのが現状です。
そのためにも、「学び始める前に将来何がやりたいのか、ビジョンが定まっているかどうか」は、とても大切になります。
10年ほど前によく聞かれた「手に職をつけたい。華やかそうだから。このような理由でセラピストを目指す人が増えている……」。
実は、こうした現象が、最近また増えているそうなのです。
確かにセラピストの皆さんは、お客さまの前では優雅で華やかに見えます。
しかし、セラピストの職業は「肉体労働」であり、「職人」であり、「究極のサービス業」でもあるということを認識しておかなければなりません。
セラピストは、実にさまざまな側面を持っています。
表から見る姿は「美しく優雅に水面を舞う白鳥」のようなのですが、水面下では必死に足を動かし、もがき続けています。
このような姿も理解した上でセラピストを目指さないと、のちのち「こんなはずではなかった……」とギャップに戸惑い、挫折してしまうかもしれません。
また、こうした現実をしっかり伝えられる講師に学ぶことも、学校選びの一つのポイントになるのではないでしょうか。
稲村