「勘違いのおもてなし」にならないために

投稿日:2014年6月13日

世界最大のスポーツの祭典と言われている、サッカーのワールドカップが開幕しました。
4年に一度、一国を舞台に32カ国の代表チームとその関係者やサポーターが集結し、約1カ月間に渡る熱狂が繰り広げられます。

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今大会の舞台は、皆さんもご存じの通り、ブラジル。
ホスト国として世界中の人たちをもてなすために、しっかり準備をして開幕を迎えたことでしょう。

日本も、20002年にワールドカップのホスト国となりましたが、そのとき訪れた人々への対応が、高い評価を受けたと言います。
昨年の流行語にもなった「おもてなし」は、日本人が持つ大きな強みですからね。

セラピストの皆さんも、日々、お客さまをもてなすことに尽力し、サロンワークを行っています。

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セラピスト誌での取材でも、「おもてなし」をテーマにした記事を掲載することがあります。
お客さまが来店してからお帰りになるまで心地よく過ごせる環境を作るために、セラピストはさまざまなアプローチをしています。

ところが、セラピストが良かれと思ってやっていることなのに、実はお客さまが不快に感じてしまっている「おもてなし」があったりするのです。
その大きな原因が、「マニュアル」に固執したおもてなし。

以前、あるスクールの講師に、勘違いのおもてなしの事例を幾つか挙げていただきました。

事例1
「あるサロンでは、冬になると風呂上がりに着ていただくバスローブの中に、カイロを入れて温めておきます。でも、それを誰もが良いと感じるわけではありません。例えば、カウンセリングシートの冷え性の欄にチェックした(あるいはその話をした)人にだけ、実践するなどの配慮が必要となります。なぜなら、暑がりの方にとっては、とても迷惑なことですからね」

事例2
「ある観光地のスパでは、お客さまにちょっとしたお土産として、その土地の名産品(お菓子)を差し上げているのですが、マニュアル通りに何でもかんでも同じ物を選んではいけません。そのお客さまが観光客なのか、地元の方なのか、今日帰るのか、旅の途中なのか、車なのか飛行機で帰るのか、そして宿泊場所がどこかによっても、お土産の種類を変える必要があります。お土産を渡すことがセラピストの単なる自己満足にならないように、心からお客さまのことを考えて選んでください」

事例3
「アフターカウンセリングに提供するハーブティーやおしぼり。それらをお持ちするタイミングが早すぎて、冷めてしまったという話を聞いたことがあります。お客さまによっては、メイクの時間が長かったり、メイク後に必ずトイレに長時間行かれる方もいます。リピーターであれば、そのパターンを把握しておくことも必要です」

いかがでしょうか?
ほんの一例ですが、マニュアルに固執した「おもてなし」は、時にお客さまを不快な思いにさせてしまいます。

しかし、お客さまは、その時の嫌な思いを伝えてくれませんから、セラピストが気づかないケースが多いのです。

そのようにならないためにも、常にお客さまの立場になって「サロン イメージワーク」をすることも、必要なことなのかもしれませんね。
6年後、東京を舞台に繰り広げられるオリンピックで、私たち日本人の「おもてなし」は世界中の人々の心に触れます。
日頃、質の高い接客とコミュニケーションを交わしている、セラピストの皆さんのおもてなしが、その見本になることを願っています。

稲村

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