メルヘンをテーマに、絵本や児童文学の世界の香りを創造している「GREEN GRASS」主宰の豊泉真知子さん。全12回に渡り、セラピーライフで『メルヘン』をテーマに多数の童話の香りを制作してもらいます。
果たして、どんな香りに仕上がるのでしょうか?
文◎豊泉真知子
第2回目のメルヘン童話
~温かなクリスマスの夜の香り~童話の女王リンドグレーの『雪の森のリサベット』
誰もがワクワクする「長くつしたのピッピ」でおなじみの、リンドグレーンのお話です。 物語はリンドグレーン自身がスウェーデンの豊かな自然に囲まれ、家族と共に過ごした事が下敷きになっているそう。愛娘カーリンの為に書いた、たくさんのお話の中の一つがこの「雪の森のリサベット」です。
物語の主役は、マディケンとリサベットという姉妹。初雪が降った日のこと。マディケンとリサベットは大はしゃぎをした為、姉のマディケンがクリスマスのお買い物に行く日に熱を出してしまいました。妹のリサベットは、お手伝いのアルバと一緒にマディケンへのプレゼントを買いに町へ行きます。アルバから「お店の前で待っていて!」と言われたのを守らないで、森から薪を持ってきたアンデションおじさんのソリの後ろに飛び乗ってしまいます。
おじさんは気づかずに、どんどん森へ。声も出せずにとうとう雪をかぶったモミの木の森についてしまいました。森に置いてきぼりにされたリサベット。寒いし、お腹はすくし、心細く、思わず「おかあさん、きてえー!」と叫びました。それでも、一生懸命歩いていたら、ソリに乗った人に助けられ、お家まで連れて行ってもらいました。
一方、アルバからリサベットが街中探してもいなかったと聞いた両親は探しに行きます。お家で待っていたマディケンは心配でなりません。ようやく家に帰ってきたリサベットに大喜び。お腹のすいたリサベットに、おるすばんをしていた時に焼いた「シナモンクッキー」を食べさせます。心配で帰ってきた両親は、二人の娘が並んで寝ている姿を見て、まるで天使のようにみえたのです。
『雪の森のリサベット』自然香水レシピ
香りのイメージ
モミの木が飾られ、温かさで満ち溢れ、子どもの好きなお菓子のかわいい香りです。
- 雪の森
- 雪をかぶったモミの木の静かな森。
- シナモンクッキー
- クリスマスに欠かせないスパイス、シナモンやトンカビーンズ。
- 温かな家庭
- 荒暖炉を囲み、お菓子の甘い香りが漂い幸せのひと時です。。
南チロルの雪景色
<作成> ~温かなクリスマスの夜の香り~
ハートノート5滴:イランイラン2、チャンパカAbs.1(温かな家庭)、ラベンダー1、ジンジャー1
ベースノート6滴:トンカビーンズ2、バニラエクストラクト2、(お菓子)パチュリー1、乳香1(冬の森)
ヘッドノート8滴:マンダリン3、ブラットオレンジ3、モミ2(クリスマスツリー)
ニュアンサー1滴: シナモンオイル1(お菓子)
※ホホバオイルで作成。全体で5mlに。
参考文献)アストリッド・リンドグレーン『雪の森のリサベット』訳 石井登志子(徳間書店)、『手作りの自然香水ハンドブック』(東京堂出版)
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著者プロフィール
豊泉真知子(とよいずみまちこ)さん
アロマプランナ-、ドイツの精油タオアシス輸入総代理店GREEN GRASS主宰、ドイツの本の出版企画。ヒルデガルトの植物を学ぶ会代表。ドイツ・ヒルデガルトの旅を毎年7月企画。メルヘンと香り展開中。
取材協力◎GREEN GRASS TEL048-886-6613 http://www.egreengrass.com/