2022年9月7日(水)〜9日(金)の3日間、TOC有明にて展示会「MONTAGE」が開催された。今回で28回目となる催しだ。
モンタージュとは、もともと映画や写真などの用語で、さまざまな断片を組み合わせることで、新たな1つの場面や写真を構成する手法や、その手法を用いてつくった作品を指す。
その名の通り、さまざまなジャンルの出展者が集まっているのが特徴。
“トレンドを意識したコンセプトを設定し
会場全体に統一感を持たせた空間演出に力を入れています“
というこの展示会。
出展者の構成は、インテリア、グリーン、アウトドアのジャンルが中心となっている。
その中にセラピスト8月号掲載のkukunaさんが出展するという情報を入手し、必ずしもアロマ・ハーブに興味がある人が集まる場ではない一般の展示会において、アロマがどう受け入れられているのかを知りたいと、中日である8日(木)の夕方、取材を行った。
本稿では、その様子をレポートする。
『セラピスト』に最近登場した出展者
セラピスト8月号の巻頭特集にご登場のセラピスト・髙橋久美子さんは、それまであまり活用されていなかった神奈川県松田町のゆずを蒸留し、精油にすることを自らプレゼン。今やゆず精油は松田町の自慢の名産品の一つとなっている。さらに使い道のなかった摘果みかんを用いたアロマウォーターなども開発。地域に埋もれているものに価値を与える活動に着目したい。
8月号第1特集の連動企画(黒文字のヘアワックス)にご登場の池田瑞絵さんのブースでは隠岐の島のクロモジが蒸留中! 人とつながり、自然とふれあい、笑顔を生み出す「マイツリーを育てよう」という活動のコンセプトが素敵だ。
人気連載記事『和精油の物語り 第九回 樟(クスノキ)の物語り』(10月号)に登場した中村さんも、佐賀県からの出展。
10月号に登場したばかりの樟精油はもちろん、くすのきアロマディッシュやエコブロックなども魅力的だった。
記者が注目した出展者
ここから先は、記者がお話を伺うことのできた出展者を順に紹介していく。(敬称略)
hibi 10MINUTES AROMA
神戸マッチ株式会社
マッチ箱のような箱の中にマッチのような形状のお香。
器具が何1つなくてもどこでも10分間、好きな香りを楽しめるというユニークなお香に多くの来場者が足をとめていた。
淡路島のお香と播磨のマッチの出会いから生まれたとのことで、物語を感じた。
株式会社Paseo
風水効果を得られる色の花を飾ることで風水からの運気向上を狙った「花風水」。
目で楽しみ、運気をアップさせるというのは新しい癒しの方法かもしれない。
花風水と組み合わせたアロマ製品の取り扱いも。
absalon
株式会社ウェーブコーポレーション
absalonは睡眠に特化したブレンドアロマグッズ。スプレータイプのアロマミストなど、生活の中に気軽にアロマの癒しを取り入れられる。
AYURVIST
minimum合同会社
アーユルヴェーダに基づいたコスメ製品。
ナチュラルコスメなのはもちろん、1本で何役分も果たす時短のアイデア、そして本格のアーユルヴェーダ効果にもこだわり抜いたonly oneのアイテムが揃う。
「自然と共に生きる」を大切にするアーユルヴェーダの教えのもと、ポンプ容器は100%PET再生ボトル使用、生分解性、非動物実験を徹底。
代表の三野村さんは「難しいと思われるアーユルヴェーダを広め、身近に使って欲しい」という熱い想いを語ってくれた。
株式会社 大香
線香やお香の老舗である日本香堂さんの関連会社。
コロナでお家時間が増えて以降、お香への関心は高まっていて、今後は新商品のアロマにも力を入れていきたい(写真右上のmeditateシリーズなど)とのこと。
株式会社ファーメンステーション
岩手県の耕作放棄地に作った自社田の玄米由来の消毒グッズやフレグランスグッズ、未活用リンゴの搾りかすを利用した商品などを製造。
さらに残った発酵粕は化粧品の「原料」や鶏・牛の餌に活用し、
さらにその鶏糞や牛糞を田畑の肥料に……と、
地域コミュニティとともにサステナブルな循環を作り出している。
ROULETTE
「火を使わない金属製のアロマディフューザー?」ということで人目を惹き付けていた。
高い技術を持つ大阪の金属加工会社の株式会社ビゼンと在京のデザイナー野村悠さんがタッグを組んで立ち上げたばかりのプロジェクト。
商品名の「ROULETTE(ローレット)」は、滑り止めのために金属表面に細かな凹凸をつける「ローレット加工」から。
金属なので簡単に洗って別のアロマを楽しめる、パーツを組み替えることでお香、キャンドルなども使える、など、機能性と遊び心が両立。
今後に注目したいアイテムだと感じた。
アロマやハーブ、自然療法が一般的な時代へ
駆け足でざっと紹介したが、アロマやハーブなど、セラピストONLINE読者の関心が高そうな出店は他にもあった。
事前にオーディションによって絞り込まれ限定された100の出店者の中に、これほど多くのアロマ・ハーブ関連の出展があり、いずれのブースにも多くの来場者が足をとめ、出展者と熱心に話し込んでいる様子が見られた。
いわば新しいチャレンジとなるようなジャンルの展示会でも、アロマは自然に受け入れられ、立派に来場者の関心を集めていた。
アロマやハーブをはじめとする癒しの業界の裾野は確実に広がっているといえるだろう。
そしてまた、癒しの分野だからこそ、リアル開催ならではのメリットがより大きいということも改めて肌で感じることができた。
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ぜひとも足を運び、最新の癒しの情報を確かめてほしい。