11月3日(祝)「アロマの日」に大阪で開催されたのに引き続き、11月20日(日)には東京の新宿住友ビル三角広場にて、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が主催する「第25回会員のつどい アロマフェスタ2022」が開催された。
コロナ禍のため、リアルでの開催は実に3年ぶり。会場には、この日を待ちわびていた多くのアロマセラピストやアロマ愛好家が足を運んだ。その模様をお伝えする。
構成◎本誌編集部
AEAJのコンテンツが人気
40社以上の出展者が集結し、3つの会場で12のワークショップが開催された東京会場。
入場開始時刻は10:30だったが、記者が10分前に会場である新宿住友ビル三角広場に到着した時点で、既に入場を待つ長い列ができていた。
ガラス張りの天井で外からの光が差し込む会場で、まず目を引いたのは会場のどこからでも確認できる大きなモニターディスプレイ。
リニューアルしたばかりの環境カオリスタ検定の紹介も兼ねたSDGsクイズ、2023年2月に竣工するAEAJの新拠点「AEAJグリーンテラス」を紹介する動画に見入ってしまう。
各出展者の紹介も順に流れていて、来場者のガイドブックのような役割も果たしていた。
また、主催者であるAEAJの展示や催しが人気を集めていた。
中でもAroma Barは有料コンテンツにもかかわらず満席、新企画である無料の嗅覚力測定コーナーも各回ほぼ満席。
アロマハンドトリートメントコーナーも、列が途切れることはない様子だった。
2つのワークショップを取材!
今回、2つのワークショップの様子を取材した。
<Lifestyleカテゴリー>からは、
11:00〜12:30に行われた「樹脂粘土のバラの置物作り」。
『セラピスト』8月号にも登場したTENアロマアソシエーションの西村真理子さんによるワークショップで、講師を務めたのはLa flora主宰の布川典子さん。
樹脂粘土でバラを制作し、最後の仕上げとして精油を垂らして香りの置物をつくるというワークショップ。
まずは布川さんが一連の制作の過程を実演。
粘土の塊が、みるみるうちに本物そっくりのバラの花に生まれ変わっていく様子に、全員が魔法をかけられたよう。
クラフトの流れを頭に入れたところで、実際の制作がスタート。
布川さんや西村さん、他のスタッフが参加者の席を回り、制作をサポートしていく。
樹脂粘土でのクラフトに挑戦するのは初めてという参加者も多い様子だったが、小一時間もするとそれぞれの机の上で白い花が咲き始めていた。
同じ手順で、同じ材料を使っていても、大きさも形も作り手によってそれぞれ。
参加者1人ひとりの個性が現れた花たちは、それでいて、どれもしっかりバラの花に見えている。
互いの花を見せ合い談笑する参加者たち。
「バラは、懐が深いんですよ」と布川さん。
参加者も「作り方を忘れないうちにまた作りたいです」「プレゼントにしたら驚かれそう!」と、自分の手で美しいバラを創り出した達成感に浸っているようだった。
もう1つ取材したのは、<Healthカテゴリー>から、
「スカルプ&ヘアオイル作りとツボ押し体験」。
講師を務めるのはウイル企画代表の西村美登里さん。
アロマだけでなく整体の専門家でもあり、ホームセラピスト養成講座なども開講している。
講師紹介、この日のワークショップの流れの説明、机上に用意された資料の説明が終わると、早速西村さんが講義を開始。
顔まわりや嗅覚の解剖生理学的な知識、頭部の重要な4つのツボなどについて、迫力満点の分かりやすい講義で学ぶことができた。
理論を整理したところで、眼精疲労が軽減し目がパッチリと大きくなるツボ押し、耳のツボ押し、肩こりを解消するエクササイズとツボ押しなどを会場全体で実践。
先生の説明が楽しく、会場から何度も笑いが巻き起こる。
次に、各席に資材が配られ、スプレー作り。
ベースとなる水、保湿成分、精油の3種類の材料でそれぞれ好みのものを選び、計量して混ぜ合わせて完成!
アロマクラフトに慣れた参加者が多かったのか、少し時間が余ると、急遽西村さんによる施術タイム!
参加者にランダムに声をかけ、不調に合わせてこの日学んだツボ押しを実演する西村さん。
学んだばかりの内容を早速に再確認し、幸運な参加者は施術も受けられるという贅沢な時間となった。
時間がきて、ワークショップが終わった後も「質問があったらブースにどうぞ」と、どこまでもサービス精神たっぷりの西村さんだった。
それぞれに魅力的なブース
出展者のブースもさまざま。
お得な商品あり、製品のお試しや試飲などありで、どこのブースもとても賑わっていた。
随所に出展者と来場者が話し込む姿が見られ、「リアル」の機会を誰もが心待ちにしていたことが伺えた。
12月に開催される弊社のTHERAPY WORLD Tokyo 2022に出展・登壇予定のブースも。
●アクト・フォ(Natsuki Ohta Japan〜ナツキオオタジャパン)
●アロマラボ株式会社
●エクシー(Les Mignardises(レ・ミニャルディーズ))
●クルッティ
●フロリハナ
いずれのブースも多くの来場者で賑わっており、THERAPY WORLD Tokyo2022が非常に楽しみに思えた。
ここからは、比較的長めにお話を伺えたところを中心にご紹介する。
アンクインターナショナル
明るい笑顔で「試飲、いかがですか?」
足を止めて「食べるローズヒップティー」をいただく。
「美味しいでしょ?」と、気さくに話しかけ、オーガニック栽培を超える野生のローズヒップの良さについて熱く語ってくれた方は実は社長さん。
アロマに加えてナチュラルな素材で美と健康を手に入れられたら嬉しい。
アロマクエスト
「禅心香」シリーズは、国産精油と香のミスト、熟練の職人が1つひとつくり抜いた桜の木の器の中に檜のウッドチップを入れたディフューザーなどのラインナップ。
ストレス社会を生きる人たちに、心を調える瞑想(マインドフルネス)を体験できる商品とのこと。
ミュージックグランツ(株式会社一十八日)
和精油の「一十八日」シリーズは、福島県・南会津の里山の木を使った精油ブランド。珍しい精油も多く、午後の早い段階から売り切れとなるアイテムが続出している様子だった。
旭光通商の主力のローズアイテムのほか、人気アニメ『東京卍リベンジャーズ』とコラボしたアロマミストが注目を集めていた。
ジーピークリエイツでは、お値打ち価格のアロマ製品に、常に人垣ができていた。
ケアリングジャパンは、〝肌に美味しい〟オーガニックコスメライン「HAMOC」が『セラピスト』8月号のFRONTLINE!に掲載。この日は手ごね石けんと2層式化粧水を手作りするワークショップも開催していた。
デ・クルールはお値打ち価格でのパーソナルカラー診断を実施。これが大好評で、全枠満席となっていた。
全体を振り返って……
また、今回の催しで感動すら覚えたのがキッズスペース。
事前予約制で、1人での参加に問題のない5歳以上のお子さまだけが対象ではあったが、子育て中のアロマセラピストや愛好者にとってはとても嬉しいサービスに違いない。
そこで過ごしている子どもたちも、アロマクラフトや香り当てクイズを楽しんだり、お絵描きをしたりと、笑顔で楽しんでいた。
子どもが楽しく過ごせるこんな場所があれば、ママも安心してワークショップなどに参加し、集中できるだろう。
ちなみに、ここを利用した子どもたちに一番人気の香りは、柑橘系でもフローラル系でもなく、なんと月桃だったそう。
なかなか通な選択をする子どもたちの将来も楽しみになった。
今回のアロマフェスタ全体を振り返って、印象的だったのは会場中が笑顔で満たされていたこと。
多くの来場者はもちろんのこと、出展者も、ワークショップに登壇した講師も、どの顔にも笑顔が溢れていた。
アロマのもつ癒しの力は、こんなにも人を幸せにさせる……。
改めてそれを実感した1日となった。