東京ビッグサイトで開催される第1回 Femtech Tokyo。
初となるこの一大イベントの開幕までいよいよ1カ月となったわけだが、本稿では現時点で編集部が入手できた最新情報を紹介する。
Femtechとは……?
ここで、まずはFemtechについておさらいをしておこう。
Femtechとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語で、2013年頃にドイツで使われ始めた言葉。
「生理・月経」「妊活・妊よう性※1」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」といった、女性の思春期から中高年期までのライフステージで出てくるさまざまなテーマに合わせた、その課題を解決できる製品・テクノロジーの総称。
代表的なものとしては月経管理アプリ、サニタリーグッズ、妊活や更年期に関する商品などが挙げられる。
こういった女性特有の悩みや生きづらさを解消する製品やサービス、フェムテック市場は欧米では急成長を見せており、2019年の世界市場規模は8億ドル(約1,000億円)とも。2025年には5兆円規模の市場にまで拡大する見込みで、日本でも、フェムテック市場への関心度は年々高まりを見せている。
単に市場拡大が期待されるというだけでなく、女性がその悩みを解消することでイキイキと活躍できる社会を作ることは、少子高齢化、医療費の増加などといった日本が抱える他の大きな社会課題の解決にもつながっていく。
2022年の日本のジェンダーギャップ指数は先進国146か国中116位と、先進国としてはかなり低い数値となっている。
この解決のためにも、そして日本社会を明るくするためにも、フェムテック業界の活性化が望まれるといえるだろう。
※1 妊よう性=「妊孕性」とも書き、「妊娠するための力」のこと。妊娠が成立するためには卵子と精子の働き以外にも性機能や生殖器、内分泌の働きも重要。また、女性サイドの問題と捉えられがちだが、女性・男性双方に関わることである。
女性のための最新の製品・情報が一堂に
10月20日(木)〜22日(土)の3日間※2にわたって東京ビッグサイト東7ホールで開催されるFemtech Tokyo には、日本最大※3となる約200社※4のブースが出展。
女性のライフステージに応じた「生理・月経ゾーン」「プレ更年期・更年期ゾーン」「妊娠期・産後ゾーン」「妊活・妊よう性ゾーン」「すべての女性向けゾーン」の5つのエリアに分かれており、目的に合った効率的な商談が可能だ。
気になった商品があったら実際に手で触れたり、デモを体験したりできるほか、その製品のこだわりやポイントなどについても出展社に直接質問して確認することができる。
新商品情報を入手するのはもちろん、リアル開催の展示会ならではの思いがけない製品やサービスとの出合いも期待できるだろう。
また、無料セミナーを行う顔ぶれも充実している。
初日の基調講演では「フェムテック推進のための政策方針」と題して衆議院議員でフェムテック振興議員連盟会長を務める野田聖子氏が登壇するほか、一般来場者も訪れる22日には、テレビでもお馴染みの産婦人科医で医学博士の高尾美穂氏(イーク表参道 副院長)による「更年期への理解 ~知って対処する、転ばぬ先の知恵~」の講演など。
ここでしか聞けない貴重な講演を期待したい。
フェムテックの当事者である女性はもちろん、企業の経営層、医療関係者、自治体、メーカー、流通関係者など、誰にとっても見逃せない内容の展示会になりそうだ。
なお、事前申し込みを行うことで入場料が無料となる。申し込みフォームは下記リンクから。
※2【ビジネスデー】20日(木)〜22日(土)の3日間。商談などビジネス目的の来場のみ可能。【一般デー】22日(土)。一般の方も来場可能。
※3 同種の展示会との出展社数、製品展示面積の比較による。
※4 出展契約企業に加え、共同出展するグループ企業、パートナー企業数も含む
セラピストにとっても見逃せない展示会
もちろんセラピストにとっても、Femtech Tokyoは見逃せない展示会となるだろう。
『セラピスト』本誌やこのセラピストONLINEでも、更年期ケア、PMSケアなどはいくどとなく取り上げてきたし、その度に反響も大きかった。 それだけ女性特有の悩みに苦しむクライアントも多いということなのだろう。
セラピーの幅を広げるという意味でも、またクライアントと自分自身のための情報収集のためにも、ぜひ足を運んでもらいたい。
Femtech Tokyoのロゴマークは、社会でキラキラと活躍する女性の姿を、「Femtech Tokyo」の頭文字であるFとTに投影したもので、空色は自由や開放感を、黄緑は躍動する生命、健康をイメージしているとのこと。
そんなキラキラと輝く女性を、セラピストの手からも増やしていけたら素晴らしいのではないだろうか。