アロマの香りを使って、快適かつ効果的な空間を演出する、アロマ調香デザイナーの齋藤智子さん(一般社団法人プラスアロマ協会代表理事)が、現在開催中のIT展示会で、香りによる空間演出を手がけている。
東京ビッグサイトで5月8日から3日間に渡り開催している、日本最大規模のIT展示会「Japan IT Week」。このイベントに出展している、株式会社ユーザーベースの世界観を、アロマ調香デザイン学に準じて作った香りにより演出している。
同社は様々な企業に経済情報を提供しているが、その代表的なITツールが「SPEEDA」で、国内の時価総額トップクラスの企業も多数、導入しているという。この革新的なツールの世界観を香りで表現するためには、同社の特徴や要望、そして展示会を訪れる人たちの属性をしっかり分析する必要がある。
一般社団法人プラスアロマ協会では、毎回30を超える項目に沿ってクライアントからヒアリングを行い、アロマブレンドを作っている。その過程では、単に室内や空間を良い香りにするだけではなく、明確な意思やキーワードを香りに込めてデザインしている。
香りは、五感の中でも脳に直接情報を届ける「嗅覚」にアプローチするため、展示会終了後には、来場者の記憶に「製品と香り」が残り続ける効果があり、その後の営業活動に寄与することも期待できるだろう。
ミラノサローネ国際家具見本市や「怖い絵」展、NOHGA HOTEL、ケツメイシのコンサートなど、様々なイベントや施設を、アロマの香りでグレードアップしている齋藤智子さん。近年、アロマテラピーを学ぶ人やアロマセラピストの数が増えるにしたがい、香りを使った仕事の幅はますます広がっているが、今回の空間演出も画期的な試みの一つと言えるだろう。