40カ国以上に広がりを見せる、世界的なアロマセラピストの育成・支援団体が国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟(The International Federation of Professional Aroma therapists、以下「IFPA」)。
このIFPAが、2023年2月11日(土)、IFPA会員活動発表フォーラムを開催した。その模様をレポートする。
文◎セラピスト編集部
東京と大阪の2拠点、さらにオンラインというハイブリット開催となった今回のフォーラム。会場となったのは、東京が自然療法の国際総合学院IMSI、大阪がJEAジャパン・エコール・デ・アロマテラピー。合計180名以上の参加があった。
このイベントは、日本人の英国IFPA認定アロマセラピストたちによるアロマセラピーに関する症例や研究、ビジネスなどの活動報告の場。
公募により集まった8名の講演者と、ゲストスピーカーの和田文緒氏の9名による講演が行われた。
当日のプログラムは次の通り。
基調講演
日本産精油の魅力:臨床に取り入れて思うこと
和田 文緒氏(アロマセラピスト・シーズ代表)
講演
禁煙治療とインヘーラーによるアロマセラピーの併用療法の臨床研究について
畑 亜紀子氏(京都医療センター、臨床研究センター研究員)
ウクライナ避難民支援としてのアロマセラピー
MAMIKO氏(プライベートサロンLORVE セラピスト)
精油吸入によるマインドフルネス瞑想~瞑想に好まれる精油の統計と瞑想実演~
中村 智美氏(真宗大谷派僧侶、(株)木花代表取締役社長)
医療機関でのアロマセラピストの役割~コロナ禍で継続した院内ケア~
松尾 薫氏(Holistic AromatherapyTrees 主宰、JEA講師)
セラピストサービスソレイユ「ソレイユメディカルCafé」の活動紹介
亀井 由美氏(高槻赤十字病院 看護師)
やまなし水源地ブランド「みずともり」成立の事例研究
京ヶ島 弥生氏(有限会社フロスヴィータ代表取締役)
アロマとキャリアカウンセリングの融合
松本 久美子氏(Private Salon K オーナーセラピスト)
『命を活かす、そのために。』~薬剤師のつぶやき~
頓宮 美樹氏(株式会社 la vita 代表、薬剤師、医学博士)
アロマセラピーを使用したクリニカルな症例について報告する講演のほか、コロナ禍での院内のアロマセラピスト活動、ウクライナ避難民へのボランティアとしてのアロマセラピーなど、タイムリーな内容の講演が参加者の関心を集めた。
また、キャリアカウンセリングと融合させたアロマセラピーに関するものや、日本精油ブランド立ち上げのビジネスモデルの紹介なども。
「アロマセラピストの資格を取ったその先にある仕事は、アロマサロンだけではない」
そんなメッセージが、参加者にも明確に伝わったのではないだろうか。
講演後の参加者からの質問も活発。
活動内容に関する質問はもちろんのこと、
「さまざまな現場でアロマセラピーを行っていく道をどうやって切り開いたのか?」
などの核心をついた質問も多く、
自らの今後の新たな活動の1歩へとつなげるためのヒントを貪欲に得ようとする参加者の積極的な姿勢が見て取れた。
リアル会場では、シールにブレンド精油を垂らしてマスクに貼った状態での瞑想体験や、国産精油のテスティング、アロマディフューザーとして使える色とりどりの折花(一枚の紙でさまざまな花の形をつくるアート)の展示なども行われた。
また、会場のあちらこちらで、イベントの風物詩である、旧友との再会を喜び合う姿や、初めて会う方々同士の名刺交換や互いの自己紹介などが行われる姿が見られ、明るい気持ちにさせられた。
コロナ前までは、カンファレンスなどのイベントでよく見られた景色だ。
とはいえ、やはりコロナ前とは異なり、参加者の9割近くがリアルではなくオンラインでの参加を選択。
コロナを機に、イベント参加や学びのスタイルが大きく変化したことを痛感した。
遠方からわざわざ足を運ぶ必要がない、移動時間や交通費がかからないなど、オンラインならではの利便性は否めない。
しかしながら、リアル会場の参加者の熱気や盛り上がりを目の当たりにすると、やはりイベントを楽しむといった面ではリアルのほうが優れているのではないかと思われる。
さて、IFPAでは2023年11月、英国で久々の対面のカンファレンスを開催予定だ。
その内容や詳細については、IFPAのホームページや会報誌等で随時案内される予定なので確認していただきたい。
https://japan.ifparoma.org/