セラピスト12月号 第2特集 カードセラピー連動記事

投稿日:2015年11月7日

『セラピスト』誌12月号は、いま巷で大流行している「オラクルカード」を使ったセラピーを特集していますが、伝統ある「タロットカード」も根強い人気があります。でも、タロットはよく当たるといわれるだけに、”ちょっとコワい…”と思っている人もいるのでは? そんな疑問に、老舗の占い学校「アカデメイア・カレッジ」の校長、森信彰雄さんに答えていただきました。タロットのイメージがガラリと変わることでしょう。

取材・文◎楠本知子

タロットは占いではなかった!?

 タロットが”コワい”と思われる最大の理由は、カードの絵柄にあるのではないかと思います。「死神」や「悪魔」などの絵柄のイメージが、どうしても恐怖心や不吉な感じをあおってしまうのでしょうね。
ではなぜ、そのようなカードがあるのかというと、タロットカードはもともと占いの道具ではなく、14~15世紀のイタリアの貴族たちが所蔵する絵画のコレクションだったんですね。その中に「死神」や「悪魔」などの絵画があったんです。16世紀以降、印刷技術の発達にともなって、これらのコレクションが鑑賞用のカードとして普及しました。これがタロットカードの始まりです。

 

じつはトランプとそっくり

 この鑑賞用カードが占いに用いられるようになったのは、18世紀のこと。フランス パリで、いわゆるジプシーが占いに使ったという記録が残っています。当時は、気象学とか、地球物理学などが未発達でしたから、天災や災害などが起こったとき、人々は、それを「悪魔のせい」だとか「死神のたたり」だと信じ、怖れました。しかし、科学の発展した現代では、いうまでもなくこれらは人々の怖れに根差す迷信だということがわかります。
また、タロットカードの一部(「小アルカナ」と呼ばれる部分)は、トランプと構成がたいへんよく似ています。たとえば、トランプのハート、ダイヤ、スペード、クラブの4つのマーク(正式には「スート」という)は、タロットではそれぞれ、カップ、コイン、ソード、ワンドに相当します。また、各スートごとに1から10までの数札が存在することも共通です。私たちが子どもの頃から遊び慣れているトランプと近しい存在だと知ると、タロットは決して怖いものではないとわかるのではないでしょうか。

 

カード上で再現されるシンクロニシティ

 タロット占いは、不思議によく当たります。よく「なぜ、こんなに当たるの?」と驚かれますが、昔からよく知られるシンクロニシティと呼ばれる現象、すなわち「意味ある偶然」がカード上で再現されているのです。私たちを取り巻く宇宙自然界には、もともとそのような法則が存在しているのでしょう。
タロットカードが占いに使われるようになってから、まだ300年ほどしか経っていません。しかしカードの絵柄や配列には、人類の普遍的な真実、真理が随所にちりばめられ、私たちの身の周りや人生で起こることのすべてが凝縮され、詰め込まれています。神の智慧を預かる預言者が作ったなどというはなし伝説もありますが、その真偽はわかりません。私自身も、使い込めば使い込むほど、よくできていることに感心します。

 

気持ちを集中すれば誰でも当たる

 最後に、タロットカードを取り扱う心構えをお話ししておきましょう。
タロットの解説本などには、手を洗ってから箱を開けろとか、カードを定められた位置に置かないと悪いことが起こる、などと書いてある場合があるようですが、それらは迷信です。カードに神が宿ったり、霊が降りたりするわけではありません。最低限、自分の大切な道具として丁寧に扱いさえすれば大丈夫です。
自分で占うときには、質問に集中して雑念を入れず、気持ちを静かに保つようにしましょう。タロット占いは、知りたい質問に意識をちゃんとチューニングすれば、誰でもよく当たります。やみくもに怖がらずに、淡々とカードと向き合い、タロット占いを楽しんでいただければと思います。

 

世界最古のタロットカード『ヴィスコンティ・スフォルザ版』。中世イタリア貴族のヴィスコンティ家とスフォルザ家の絵画コレクションを鑑賞用カードにしたものが、タロットの起源の一つといわれている。

もっとも普及している『ライダー版』。

フランスで生まれた『マルセイユ版』。

お話を伺った人Profile

森信彰雄さん

もりのぶあきお アカデメイア・カレッジ代表。1965年生まれ。高校時代より占術家を志し、東京外国語大学在学中にプロデビュー。指導実績は20年以上に渡り、育てた後進は1000人以上を誇る。スクールでは、タロット占い以外に西洋占星術の教鞭も取る。
http://www.akademeia.co.jp

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