3ヶ月に一度の東南アジア出張で、各国のセラピーを体験している株式会社シャンティ アジア プロモーション代表の中島由美子さん。自然療法士、レイキティーチャー、催眠療法士などさまざまな資格をもつ「セラピストのプロ」が体感したタイ、バリ諸島の自然療法の今をレポートしてもらいました。
文:株式会社シャンティ アジア プロモーション代表 中島由美子
タイの大都市バンコクのマッサージ店事情
コロナ禍を経て大きく新陳代謝した、タイとバリ島の自然療法事情を紹介します。
東南アジア出張で必ず通過点になる大都市バンコク。近年、この地には、観光客目当ての新しいマッサージ店が続々と誕生しています。
その中の「タイマッサージ」はタイ伝統医療の1つであり、「無形文化遺産」でもあります。
タイの伝統医療は、インドで成立した仏教医学や、アーユルヴェーダの影響を受けていると考えられており、施術のあいだに多くのヨーガと同じ体位をとるのも特徴です。路上マッサージも格安店マッサージも、1時間 800〜1200円と安いのですが、タイマッサージのお店は基本的にお客様からチップをもらうことが前提で、給与がとても安く設定されています。チップに馴染みのない日本人でも、1時間の施術であれば50バーツ(約200円)位は渡した方がよいです。
ただ「日本人はどうせチップをくれない」と明らかな手抜きをしたり、隣のスタッフとずっとお喋りしている人には「義理チップ」を払わないで下さいね!
タイ人から学ぶ“今”を楽しむ大切さ
そんなタイの国民性は基本的に、「サバーイ」(気持ちよい)、「アローイ」(美味しい)、「サヌック」(楽しい)が人生で一番大事なことと捉え、先のことをあまり心配しません。私がまだバックパッカーだった頃、タイ人の友人から「日本人はまだ来ない先のことばっかり心配するんだね! 今の自分をハッピーに出来ないなら貴方はいつからハッピーな人になれるの?」と言われました。この一言は私に大きな気づきを与えたのです。タイ人は「今を楽しむ才能」を持っています。何かと心配しすぎで心の疲れが身体に出やすい日本人が見習いたいところですね。
バリの鍼灸院に助けられた!
バンコクでの仕事を終えてバリ島に移動した際、重い荷物を長時間持ち歩いた無理がたたり、膝に炎症と痛みが出てしまいました。
そこで今までの経験から「急性の痛みには鍼灸だ!」と思い、PCで「acupuncture(鍼治療) 」と検索したところ、意外なことにバリ島にも鍼灸院は何軒もありました。さすが、世界中からスピリチュアル系の人たちが移住して来るバリ島です!
私が滞在していたウブドには、中国人、ジャワ人、イギリス人が経営する鍼灸院がありました。
最初に訪ねた中国人の店では、私が日本人と分かると診察もしていないのに、「料金は1juta(約1万円)だ」と言うのでもちろんキャンセルです! その後、ジャワ人の先生のいる「ウブドヒーリングセンター」にたどり着くと、ここが大当たり! 2回の鍼治療で炎症も痛みも消え、やっと街を歩き回ることが出来るようになりました。
現代でも鍼治療のメカニズムは完全には解明されていませんが、鍼刺激により血液が集まって老廃物の排出がスムーズになったり、免疫細胞である白血球の働きが活発になるようです。
多種多様なバリの最先端セラピー
スパとヨガセンターが至る所にあるバリ島には、世界中のスピリチュアル系の人たちが移住して来るため、世界のあらゆる最先端のセラピーが見つかります。次に、バリ最新の癒し体験が味わえる珠玉のセラピー施設をご案内します。
倍音セラピーの「ジャリムナリ(Jari Menari)」、
ソルトセラピーの「バリ ベター ブリージング(Bali Better Breathing)」
海側エリアのスミニャックにある老舗有名スパ「ジャリムナリ(Jari Menari)」では、「シンギングリン」による「倍音セラピー」(リンの倍音の波動が身体への共鳴を起こして、癒し効果があると言われている)が昔から取り入れられています。また、ウブドに新しく出来た「ソルトセラピー」の施設「バリ ベター ブリージング(Bali Better Breathing)」では、岩塩を使ったヨーロッパの伝統療法が受けられます。ソルトセラピーは、呼吸器疾患やアレルギー症状の緩和に効果があり、体内の免疫システムを強化すると言われています。
新しいソルトセラピーの施設「Bali Better Breathing」の室内
タラソセラピーの「タラソバリ」
ヌサドゥア・タンジュンベノアにある、グランドミラージュホテル内の「タラソバリ」は、バリ島の「タラソセラピー」(海洋療法)の先駆け的存在です。人間の血液の成分と海水中の成分は似ており、海水には人間の身体に欠かせないミネラルなどの成分が豊富に含まれています。その海水を温めることによって、ミネラルを体内に取り入れることができ、ホルモンバランス、免疫システムなどに働きかけるのです。
「タラソバリ」の海洋療法が施されるプール
バリ島伝統の自然療法 ルルールとボレ
バリ島といえば「バリマッサージ」ですが、ハーブを用いた伝統的な自然療法である「ルルール」と「ボレ」も、同時に受けることができます。
ルルールとは、米やサンダルウッド、ターメリックなどを利用した自然派スクラブ・ピーリングのことで、古い角質を取り除いて肌を滑らかにします。
一方、ボレは伝統的ボディパック。ジンジャー、クローブなどのスパイスを塗り、体を内側から温め、新陳代謝を高めてくれるため、雨季の風邪予防にもなります。
スミニャックの欧米人に大人気のスパ「ボディワークス」
近年、「チャクラヒーリング」や「エナジーヒーリング」など、スピリチュアルに特化した高級スパのメニューも確実に以前よりも増え、お値段の高級化も止まりません。
そんな中、街スパより高く、ホテルスパよりお手頃な中級スパで、欧米人に絶大な人気を誇るのが、スミニャックにある「ボディワークス」です。
スミニャックの「ボディワークス」の美しい景観
ウブドにもカリスマヒーラー・アルサナ氏が経営する同じ名前のスパがありますが、スミニャックのボディワークスは、美意識の高いドイツ人ご夫妻のお店です。青い空に映えるオレンジピンクの宮殿や、廊下の隅の葉陰が美しく、連日大繁盛! 予約は必須です。
ウブドにある巨大ピラミッド施設
「ピラミッド オブ チ(Pyramids of Chi)」
ヨガの聖地と呼ばれる、ウブドに滞在する欧米人に最近人気なのが、スピリチュアルスポット「ピラミッド オブ チ(Pyramids of Chi)」。ここは、ウブドの中心地から車で20分ほどの辺鄙な山奥に突然出現する、巨大なピラミッドが特徴の施設です。その中では、ボディソニックを使用したサウンドヒーリングや、瞑想イベントなどが行われ、さまざまな国籍のツーリストで大変にぎわっています。
欧米人に最近人気のスピリチュアルスポット「ピラミッド オブ チ」
肌で感じる、バリのセラピー文化とスピリチュアル意識の高さ
バリの街中を歩けば、世界で最も認知されているヒーリングメソッドである「レイキ」から「リコネクション」、「シータヒーリング」、「チャネリング」まで、多種多様なヒーリングセッションのチラシやポスターを、オーガニック系カフェやヨガセンターで見つけることが出来ます。
また、バリの至る所に存在するオーガニック系カフェでは、アーユルヴェーダの3つの体質(ヴァータ、ピッタ、カファ)に合わせたメニューがあります。また、1つひとつの食べ物がどのチャクラに作用するかを明記している店舗もあります。こうしたスピリチュアルな価値観が当たり前になり、かつビジネスとしても成り立っているバリ島は、近年の「物質よりも精神性」が重視される「風の時代」の最先端ともいえる場所になっているのではないでしょうか。
セラピストとして大切な恩師の教え
今回の旅でさまざまなスパを体験し、30年前に私にバリマッサージを教えてくれたアーユルヴェーダの先生の言葉を思い出しました。
「すべてのセラピストはヒーラーセラピストであるべきだ。なぜなら、身体に浸透するオイルを媒介して、セラピストの手から出る電磁的なエネルギーやセラピストの呼吸に現れる精神状態は必ずクライアントに伝わる。セラピストの内面に平和なものがなく、怒り、恨み、後悔、心配、不安などの感情が渦巻いていたら、そのエネルギーはクライアントをリラックスさせるでしょうか? 私の生徒には、施術前に必ず30分以上のヨーガと瞑想の時間を取らせます。自分をクリアにすること、自分の幸福と不幸でいっぱいいっぱいにならず、クライアントの幸せを祈れる心の余裕を持つこと。セラピストはそれが出来なければなりません」
セラピーの世界は日進月歩で、人と関わる仕事である限り勉強は続きます。移り変わる世界の中で、30年経っても色褪せない私の恩師の言葉を、この記事を読んでいただくセラピストの皆様とシェアしたいと思いました。
著書プロフィール
中島由美子
(株)シャンティアジアプロモーション代表。ホリスティック数秘術協会代表。自然療法士、ホリスティックヒーラー、催眠療法士。「天が味方する! 引き寄せの法則」講師。
風の時代になり、この3次元からどんどん店舗や商品、業種などが淘汰されて消えています。先を見通せる「スピリチュアルな感性と技能」と「現実的なビジネスセンス」の両方を学ぶと、コロナ時代でも生き残れるビジネスができます。地方都市の8畳間のカウンセリングルームからスタートし、20余年で年商1億円企業に発展させた当社の豊富な知識と経験をもとに、皆が幸せになれるスピリチュアルビジネスのノウハウをしっかりお伝えします。
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