スマートフォンの普及やデスクワークをする人が増えている現代では、頭に熱がこもり、足が冷える”頭熱足寒”になっている人が大勢います。足が冷えて血の巡りが悪くなると、首・肩凝りをはじめとしたさまざまな不調が表れます。そんな時に役立つのが「つむじケア」。いつでもどこでも簡単にできて、頭も身体もすっきりするセルフケアを紹介します。
取材・文◎タカイシオミ
「つむじケアで頭部のうっ滞を取れば、全身に気血が巡る」
「つむじケア」は、自律神経と免疫の関係を究明した「福田ー安保理論」の創設者である医師の福田稔氏が考案したものです。
福田氏は多くの患者に接する中で、ある共通点に気付きました。それはみな一様に頭部がうっ滞し、下半身に十分に血が巡っていないということ。その結果、下半身が冷え、「頭熱足寒」になっていたそう。
そこで頭部にうっ滞した気や血液を刺激して流すと、自律神経のバランスが整いやすくなることを発見しました。頭から足下まで、上から順に気血(エネルギー)を流して身体の巡りを良くすれば、免疫力もアップし病も去りやすくなります。そのためには、頭に溜まった熱や、凝りをほぐすのがいちばん。施術のスタートとして、頭に溜まったものをはずすと、身体の巡りがぐっと良くなります。
そして、その頭部のうっ滞を取るためにもっとも効果的だったのが、「つむじケア」でした。つむじは人間のエネルギーの流れのはじまりだったのです。
実践してみよう!「つむじケア」
指で頭のてっぺんの周囲に触れてみます。直径1センチほどのくぼみがあれば、そこがつむじ。2つ以上ある場合は、もっとも大きく、押すと痛みを感じる場所に重点を置きましょう。
指3本分の第2関節を使い、まずはつむじの2~3センチ周辺をグリグリと刺激します。つむじは果実のヘタと同じ、人間の発生の中心のようなものなので、ここへの刺激は頭のうっ滞を流すのに効果的です。
つむじから刺激をはじめてこめかみ、後頭部など、上から下へ、より広い範囲をほぐします。指の第2関節で、グリグリと気持ち良いと感じるくらいの圧をかけるのがポイント。固まりやコブのようなもの、ブヨブヨ、ねばつき感などがあれば、しっかりほぐします。
「つむじケア」は頭を酷使する現代人に最適
現代は身体を動かす仕事より、デスク前でパソコンや書類に向かう仕事をしている人が多いです。またスマートフォンなどの普及により、仕事以外でも眼を使い、体を固め、頭をうっ滞させる要素があふれています。
そのため、最近はヘッドトリートメントを希望されるお客さまがたいへん増えています。人は、頭がスカッとすると、首や肩をはじめとして全身が軽くなり、気持ちも軽くなるからです。
「つむじケア」は、いつでもどこでも実践できるので、頭の疲れた現代人のセルフケアに最適。デスクワークで疲れたセラピスト自身のケアとしても、是非、取り入れてみてください。