セラピスト12月号第2特集連動記事 世界のボディワーク

投稿日:2017年11月7日

セラピスト12月号の第2特集では、そのメソッドを身につけることによって、セラピスト自身の「感じるチカラ」を高められる、様々なボディワークを紹介しています。そこで、各ワークを紹介するとともに、そのワークを学んだことによって、どのような変化が起こるのか。セラピストたちのエピソードを紹介します。

構成◎本誌編集部

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「クラニオ・セイクラルセラピー」は
全体性に寄り添うことを意識させてくれます。

解説◎山田岳(https://www.afferent-psychosomatic.com

クラニオセイクラル(バイオダイナミクス)の特徴は、自身をニュートラルに保ちながら、全てを受容する軽いタッチでクライアントの変化を見守り続け、静寂の中で共に身体の可能性を探求することにあります。

このボディワークを学んだ私の先輩は、「苦手な人が減り、遂にいなくなった」と言います。もともとコミュニケーションが得意ではなく、一人で過ごすことが多い方でした。しかし、セッションの中で、自分と人とが連続体であるという体験、粒子に還っていく体験を重ねるうちに、自分を守っている殻が薄くなり、気がつくと人やモノとの関わりが楽になっていたそうです。

また、問題解決志向からプロセス志向へと考え方が変化されました。問題と感じるもの、苦手と感じるものの背後には、自らを癒すことができる力が脈打っています。クラニオセイクラルは、その力にただ寄り添って「存在する」という意識へとシフトしていくワークなのです。

File.02
「サイキックマッサージ」のクラスで
自分の状態に気づき、自分らしくあることを学びました

解説◎中安一成(http://bealltuinn.co.jp

サイキックマッサージは、ボディワークと瞑想が融合したワークで、受け手の男性性と女性性、チャクラにあるレゾナンス(瞑想の質)、そしてエナジーのリーディングを行い、それに従って施術をします。セッションは、実際に身体に触れて、レゾナンスを広げるサポートのためのマッサージを行います。そこで、サイキックマッサージを学んだ、セッションギバーである女性の体験談をお伝えします。

「私は、サイキックマッサージのクラスで、自分の状態に気づくこと、自分らしくあることを学びました。それは自分の内側に落ち着く方法や自分の心地よい場所にいる幸せを感じることでもあります。

そしてその結果、普段も気にせず楽に人前に立てるようになったのです。少しずつ、努力することなく、自分が楽に成長したという感じですね。

セッションで体験した真実のまま、事実を伝えるというのは素晴らしいと思いました。何より、みんなと一緒に学んだことが良かったです。今回の学びはアロマセラピーなどのボディワークをやっていく上でも、とても役立ちます。それは相手と自分との距離の取り方、自分自身にくつろいでいることなどです」

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「トレガーアプローチ」を学び、
マインドレベルでクライアントと自身を感じられるように!

解説◎武市基子(http://www.kansai-aroma.net

トレガーアプローチは、「重さを量る」「彫刻する(形を感じる)」「軽く伸ばす」「ロッキング(揺らす)」など、穏やかで心地よい動きを繰り返すことで、本来自分が持っている自由に、軽く、楽に動くことを思い出すことができる、アメリカ発祥のボディワークです。生徒がこのワークを学び、どのような変化があったのか、3名の声を紹介します。

「一番変化を感じたのは、施術時の身体の使い方です。楽で綺麗な姿勢になり、同時に身体の負担を減らすことができました。セラピスト自身も心地良い感覚の中、より良くクライアントに向き合うことができます。柔らかい手のタッチングとアプローチの大きな特徴であるロッキングは、さまざまな形で手技にエッセンスとして取り入れることができ、非常に深いヒーリング効果でクライアントの満足度も確実に上がりました」

「クライアントの身体の声を感じやすくなって、自分自身とクライアントの動きが同調することで、施術がより楽に軽やかに。また、クライアントとセッションを共につくりあげことが楽しくなりました」

「感覚をオープンにし、クライアントと自身の感覚へ深くフォーカスする状態を大切にすることを学んだため、直接的なタッチだけでなく、マインドレベルや、時にはエネルギーレベルでもクライアントと自分自身を感じられるようになりました」

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「ハンナ・ソマティクス」を体験し、
身体の声に耳を澄ませ、セルフケアの大切さを実感!

解説◎平澤昌子(http://hanna.somatics.jp

ハンナ・ソマティクスとは、日常の中で気づかないうちに緊張している筋肉の緊張を意識的に収縮させ、その後、意識しながら自分で緩める気づきのエクササイズのことです。

ハンナ・ソマティクスを体験すると、自分の身体を意識するようになります。日常のなかで、セラピーのなかで、以前よりもっと意識できるようになるのです。そして、セルフケアの大切さが分かります。セラピストはいつも援助する側にいます。自分のことよりも相手のこと、クライアントのことを優先しがちです。けれども、ハンナ・ソマティクスで自分の身体の声に耳を澄ませると、頑張りすぎている自分、疲れている自分など、さまざまな気づきがあります。このように、ハンナ・ソマティクスを体験した結果、自分をケアでき、クライアントと向き合うことの大切さも、身をもって体験できるのです。

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「BMSセラピー」身体のソマティックな
潜在意識のレベルで感じることができます!

解説◎國分利江子(https://www.bmstherapy.com

BMS (Body, Mind & Spirit) とは、身体・心・魂の調和をはかり、その人自身の真実の姿を生きられるようにサポートするメソッドのことです。潜在意識レベルでフェルトセンスを感じるカウンセリングと、筋解剖学を基本とした専門的なオイルマッサージが融合して、身体と心の両面から変化をおこします。

このBMS Therapyには、型の決まった手技はなく、クライアントの身体の状態を筋解剖学的に理解して、個別の施述プランを作ります。あるセラピストさんは、当初、作成したプランに沿って施術し、結果を出していました。ところがある日、自分自身の心の解放が起きたことによって、施述中にクライアントの身体の声が聞こえるようになったのです。そして緊張で違和感のあった菱形筋の筋肉繊維に圧をかけていた時に、「確かに届いたよ」という感覚がやってきて、クライアントの身体から「確かに受け取ったよ」という実感のある感覚が戻ってきたそうです。

施術中は、クライアントに身体に集中してもらうために会話をしませんので、それはクライアントの身体からの「声なき声」だったのです。さらに施術が終わると、クライアントからも「今日の施術は何だったんですか? とても不思議でマッサージの圧がこんなに深く身体に響いて感じられたのは初めてです。今まで受けてきたマッサージとは次元が違います。衝撃的でした」と感想を頂いたそうです。このように、BMS Therapyはセラピストもクライアントも、身体のソマティックな潜在意識のレベルで感じることができるようになる、未来型のメソッドです。

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「ポラリティセラピー」で、生活の中でも
他人や自分をジャッジし、責めなくなりました!

解説◎鈴木涼子(http://www.polarity.jp

アメリカ人オステオパシー医、ランドルフ・ストーン(1890~1981)により創始された、ホリスティック療法、「ポラリティセラピー」。このワークは、気の流れを回復し、地水火風空のエネルギーバランスを整えることにより、身体だけではなく心や精神の健康も促進することができます。施術は身体に触って行いますが、エネルギーに働きかけるワークです。

ポラリティセラピーを行う時は、セラピストはニュートラルな立ち位置で施術をします。そしてこの実践の結果、セッションだけでなく、生活の中でも他人や自分をジャッジして責めなくなったというセラピストがいました。彼女は、自分のフィルターを通して相手を見るのではなく、中立的な視点で相手を見、理解し、受け入れることができるようになったと感じています。何よりも、自分のことがよくわかるようになったそうです。
また、人やモノが発するエネルギーに敏感になったので、無意識のうちに周りに振り回されることが無くなり、自分ができることを余裕と自信を持ってやれるようになったとか、太陽や月、雨風雷など自然から、たくさんパワーを貰えるようになったというセラピストもいます。

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「ロルフィング」は施術中のクライアントの感覚を信じ、
そこから生まれる変容を大切にします!

解説◎大久保圭祐(http://www.keisuke-o.net

ロルフィングとは、重力との調和をゴールに、筋膜を中心とした全身につながる結合組織に働きかけて、身体から無駄な緊張を取り除き、整えて統合するボディワークのことです。身体の内側で感じる力を向上させ、外側から得られる情報の受け止め方やそれを表現する動きに新しいパターンを提供して、身体の使い方や感覚を育みます。

ロルフィングの創始者Ida Rolf博士が注目していた「筋膜」は、感覚を得るのに長けています。ロルフィングは施術中のクライアントの感覚を信じ、そこから生まれる変容を大切にします。施術者が刺激を与え、筋膜が感覚器として働き、受け手が刺激をしっかりと変容に繋げます。しかし、受け手の感覚を使わなかったり、眠らせていれば、100の刺激を与えても50の変容しか得られないこともあります。その結果、施術者が刺激を強くしたり、頻度や時間を増やしたり、無駄な労力を発生させることになります。一方、感覚が高ければ、50の刺激で100の変容が得られることも考えられます。クライアントの感じるチカラにも協力を得ることで、効率良く高い効果を得られるのです。

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