タッチ系からムーブメント系まで
世界のボディワーク20選

投稿日:2025年1月11日

世界にはタッチ系のものからムーブメント系のものまで、さまざまなボディワークが存在しますが、主要なものだけでも100種類以上あると言われています。 その目的は、身体感覚や感情、動きの気づきを促すものや、物理的な調整やケアをするものがあります。 ここでは、主なボディワークについて、タッチ系とムーブメント系に分けて10ずつのワークを紹介します。 「セラピスト2024年10月号」では、ムーブメント系のボディワークを特集しています。
構成◎セラピスト編集部

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タッチ系ボディワーク10

エサレンマッサージ

1960年代、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント(人の可能性を追求する運動)を背景に、アメリカの「エサレン研究所」で誕生したボディワーク。波のようなロングストロークの手技が特徴だが、「アウェアネス・気づき」、「プレゼンス・ともに在ること」、「コネクション・つながり」を要素の1つとしている。そのため、人の身体を単なる肉体としてだけではなく、心、感情、精神を持つものとして捉え、アプローチしていく。

クラニオセイクラルセラピー

クラニオとは頭蓋骨、セイクラルは仙骨を意味し、日本語では「頭蓋骨仙骨療法」という。脳脊髄液は通常、規則正しいリズムで流れていると言われているが、足部や頭部などにズレがあるときなどは、このリズムが乱れているという考え方に基づき、セラピーを行う。5gタッチといわれるやさしいタッチで、脳脊髄液の本来の流れを戻すことを目的にしており、自然治癒力を高め、ストレスや緊張を緩めると言われている。

サイキックマッサージ

サイキックマッサージは、ボディワークと瞑想が融合したワークで、受け手の男性性と女性性、チャクラにあるレゾナンス(瞑想の質)、そしてエナジーのリーディングを行い、それに従って施術をする。セッションは、実際に身体に触れて、レゾナンスを広げるサポートのためのマッサージを行う。

トレガー・アプローチ

アメリカのミルトン トレガー博士が、エサレン研究所に呼ばれてデモンストレーションを行ったことがきっかけで生まれたボディワーク。本来の身体の感覚を呼び覚まし、自然治癒力を活性化させるという。頭の重さを感じながら首を揺らしたり、手首を持ち上げて振り子のように揺らすワークなどがある。「メンタスティックス」と呼ばれる“動きを感じながら動く”というセルフエクササイズもある。

野口整体

整体協会の創立者である故・野口晴哉による、実践的な体育の理論。「活元運動」「愉気法」「体癖研究」「潜在意識教育」など手当てからメンタルのケア、自発的な運動を行うなどさまざまな方法がある。人間一人ひとりが本来持っている自然治癒力を最大限引き出すという考え方に基づき、アプローチしていく。

バリニーズマッサージ

インドネシアの伝統的なオイルマッサージ。アーユルヴェーダと中国の指圧の影響を受けていると言われており、ジャワ王族の美容・健康のための技術として発展してきた。施術はオールハンドで、時間をかけてじっくり強めの圧をかけていくロングストロークが特徴。リンパの流れや血流を活性化する効果が期待できる他、手に宿る神聖なエネルギーでクライアントの心を癒すとも言われている。

ハンナ・ソマティクス

ハンナ・ソマティクスとは、日常の中で気づかないうちに緊張している筋肉の緊張を意識的に収縮させ、その後、意識しながら自分で緩める気づきのエクササイズのこと。このボディワークをセラピストが行うことにより、筋肉の動きや微細な変化を感じ取ることができるようになる。

ポラリティセラピー

アメリカ人オステオパシー医、ランドルフ・ストーン(1890~1981)により創始された、ホリスティック療法。気の流れを回復し、地水火風空のエネルギーバランスを整えることにより、身体だけではなく心や精神の健康も促進することができる。施術は身体に触って行うが、エネルギーに働きかけるワークである。

ロミロミ

ハワイに西洋文明が上陸する以前から伝わる伝統的なトリートメント方法。ロミロミとは「もむ、マッサージする」を意味するハワイ語。マッサージオイルを使い、手のひら全体、四指、母指、手根、前腕までを使用し、軽擦法、揉ねつ法、強擦法などの手技を組み合わせて行う。血液循環やリンパの流れを良くするほか、マナと呼ばれる自然界のエネルギーをとり入れる働きもあるとされている。

ロルフィング

重力と調和した身体に整えることを目的としたボディワーク。筋膜を主とした結合組織に手技を用いて働きかけることで、それらを本来あるべき位置に戻すと、身体に記憶された心理的なストレスなども解放され、安定した心身の状態に導かれるという。1940年代にアメリカのアイダ・ロルフ博士によって開発された。

ムーブメント系ボディワーク10

アレクサンダーテクニック

オーストラリアの舞台俳優・F.M.アレクサンダーが生み出したボディワーク。身体のメカニズムを理解して、心身に無駄な緊張がない状態に向けていく。日常の動作の中で頻繁に発生している首の圧迫を回避することで、身体の総合的バランスを向上させ、負荷のない姿勢に導いていく。劇団員やミュージシャン、ダンサーなどが多く取り入れている。

気功法

「気」は、人間の身体の中に存在しており、私たちの活動を支える根源的な生命エネルギーと言われている。一方「功」は、鍛える、積み上げるという意味をもっている。つまり「気功」とは、人体の根源的な生命エネルギーを一定の方法に基づいて自ら鍛え上げていく、ということになる。流派・流儀や指導者によって動作や方法が異なる。外部の気を取り入れる方法もある。

操体法

仙台市の医師である故・橋本敬三が、民間療法を自ら実践・研究して生み出した養生法。その考え方の基本は、クライアントが自身の「心地良い方向」に動くことで、身体の歪みを改善することで各種不調を解消するというもの。現在は、この基本をもとにさまざまな施術・ボディワークと操体法を組み合わせたものが開発されている。腰痛や膝の痛み、肩凝りなどに効果的と言われている。

野口体操

東京芸術大学名誉教授・野口三千三(1914〜1998年)によって創始されたもので、頑張りを捨てて体の力を抜き重さに任せることによって生まれる、ゆらゆらと揺れる気持ちのいいを動きを基本としている。辛い訓練に耐え努力・我慢して強くなろうとする在り方はとらずに、自分にとって楽な在り方を見つけようとする姿勢を大事にしている。

ビオダンサ

南米発祥のダンスムーブメントセラピー的なボディワーク。「音楽」「ダンス」「交流」の3つの要素を統合した約20のワークを行う。一人で行うパートだけでなく、ペアや多人数で行うパートもあり、自己と人とのつながりを探る多様なワークから構成される。ファシリテーターのガイドのもと自由に踊ることで、自己を自由に表現することが大きな目的の1つである。

フェルデンクライスメソッド

生物学、神経生理学、心理学など、さまざまな理論に基づいて作られた、脳神経系を活性化するボディワーク。身体のパフォーマンスを高められる他、それに関連して起こる精神的な変化も期待できる。「動きを通しての気づき」のグループレッスンと、「機能の統合」というマンツーマンレッスンがある。激しい動きは行わないので、年代や性別を問わず行うことができるのも魅力。

ヨガ

サンスクリット語で「つながり」を意味する。古代インドから発祥。ある特定の呼吸をしながらポーズ(アーサナ)をとることで、身体の歪みを整えたり、内臓の機能を活性化させて、自己治癒力を高めていく。また、身体にフォーカスして動くことで内観性も高まる効果もある。ハタヨガ、アシュタンガヨガ、ラージャヨガ、陰ヨガ、クリパルヨガなど多種多様な流派がある。アロマと組み合わせたアロマヨガなども行われている。

ルーシーダットン

タイに古くから伝わる健康体操のこと。昔、タイには「ルーシー」と呼ばれる出家者たちがいて、長時間の瞑想や修業の最中に体調を整えるために、編み出されたと言われている。普通の人でもできるポーズがほとんどで、無理なポーズで限界に挑戦するようなものは非常に少ない。痛みや不快感、圧迫感、腫れ、こわばり、イライラなど、多くの不調に効果が期待できるとされている。

ローゼンメソッド・ムーブメント

カルフォルニア発祥のセラピーであるローゼンメソッドには、ボディワーク(触診治療)とムーヴメント(軽いダンス、体操)の2つの形がある。ローゼン・メソッドでは、緊張や過去のつらい体験が横隔膜を硬くすると考える。横隔膜をやさしく解きほぐすことで、心身を解放する。ムービメントは、ローインパクト(低刺激)な動きにより、心身ともにリラックスできることが特徴。

ロルフムーブメント

ロルフィングを創始したロルフ博士が、「動き」に注目して発案したムーブメント手法。重力と調和することを目的とする。ロルフィングが「構造」にアプローチするのに対し、ロルフ・ムーブメントは「動きと機能」にアプローチする。クライアントの気づきを元にしてワークを組み立てるのが特徴。

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