北海道&東北の「全国和精油MAP」(セラピスト4月号連動記事)

投稿日:2018年3月7日

個人、農家、林業会社、メーカーまで、日本各地で和精油ブランドが増えています。この記事では、本誌掲載の「全国和精油MAP」を拡大版で紹介します。各ブランドの特徴や抽出している植物について。また、実際に植物に触れて、和精油を抽出している方々だからこそ感じる和精油の魅力—-。まずは第1弾として、北海道、東北編をお届けします。

構成◎本誌編集部

北海道

株式会社フプの森
FUPUNOMORI/NALUQ
北海道上川郡下川町北町609
TEL:01655-4-3223
info@fupunomori.net
http://www.fupunomori.net
2000年よりスタート(18年)
北海道モミ(トドマツ)
下川町の主要産業は林業で、伐採した樹の枝葉を精油原料としています。森の中で伐採作業が行われる中、なるべく新鮮な原料を採取して精油を抽出し、残渣の一部は枕として商品化。資源を有効活用するよう心がけています。
北海道モミ(トドマツ)
樹木精油ですが、主に葉から抽出しているため重い印象はなく、透明感があって伸びやかなグリーンノートが特徴です。柑橘にも似たスッキリとした柔らかさがあります。
北海道モミ(トドマツ)は、日本では北海道にのみ自生するモミ属の樹木で、北海道の森では代表的な樹種の一つです。北海道の人工林ではトドマツが多く植えられています。この香りは北海道の森の風景や暮らしに不思議とよく合い、同様に、日本で採れる精油は、その土地を表し、そこで暮らす人々にも力を与えてくれるものだと思います。また、地産地消やトレーサビリティーの面からも意義があり、愛着を持って使うことに喜びを感じられます。身近な植物の力で、心身を健やかに保てる暮らしは、シンプルで尊いものと考えます。
北海道モミ(トドマツ)

 

青森

燕雀堂
ENJAKUDO
青森県青森市久栗坂字山辺79-2
TEL:017-763-0113
enjakudou@hb.tp1.jp
http://www.kuromoji-aomori.com
2010年よりスタート(8年)
オオバクロモジ
品質本位
オオバクロモジ
香料は基本のフローラル系とシトラス系の成分が含まれ、甘く爽やかで深い香り。
原材料が身近にあり、地元と研究機関と商品開発できる。また、見学会などで直接説明できる。
オオバクロモジ

 

青森

合同会社白神アロマ研究所
白神アロマ
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字一ッ森町上禿88-2
TEL:0173-82-7057
Shirakami_aroma@shirakami.gr.jp
http://aroma.shirakami.gr.jp
http://www/facebook.com/shirkami.aroma
2012年からスタート(6年)
オオバクロモジ、青森ヒバ、スギ
間伐で伐採されたものを利用しています。ツルが巻きついたり、密集して風通しの悪くなっているところを丁寧に選んで伐採します。実付きのものや太めの樹木は、あえて採らずに残しています。
オオバクロモジ
精油瓶のフタを開けた瞬間に、パッと森の香りが広がります。爽やかでありながら、優しくグラウンディングさせ、深呼吸を促します。蒸留体験ツアーに来てくれた方からは、「白神の森の香りのイメージにぴったりな香り」というご感想をいただきました。
国産の精油を嗅ぐと、老若男女を問わず好感を持つ方が多いように感じます。樹木の香りには、大地に根を張り、雨風や年月に耐え抜くような底力と、包み込まれるような優しさを感じます。まるで日本人そのもののように奥ゆかしく、自然に生活に溶け込んでいくような気取らない香りが多いと思います。
青森ヒバ

 

岩手

ラピアス電機株式会社
LAPIAS(ラピアス)
岩手県八幡平市平舘8-153
TEL:0195-74-2261
laaroma@rapias.co.jp
http://www.lapias.co/
2014年からスタート(4年)
ナンブアカマツ、サワラ、オオバクロモジ、アオモリトドマツ(別名オオシラビソ)、ウラジロモミ、ヒノキアスナロ、ヒノキ、ニオイヒバ、アキタスギ、イトヒバ
天然100%の本物素材のみを対象に、日本の樹木の未利用な部分に注目して、高品質で純度の高い精油を追求し、応用製品も開発。また、オーガニック性の高い製品を創りつづけることで、信頼を高め、北東北地域の限りない地域資源から新たな価値を創造し、健康で豊かな生活や社会づくりに貢献したいと思っています。
ナンブアカマツ、サワラ
ナンブアカマツ
精神をリフレッシュさせる力強い森の香り。爽やかな柑橘系を思わせる軽さと、地に足をつけるような落ち着きを感じさせる。
サワラ
心身が安定する丸みのある香り。頭から足先まで滞りを取り去り、すっと通してくれるような印象。眠った記憶を呼び覚すようなイメージも。
和精油の魅力は、「香りの心地よさ」です。心が和む温かさや繊細な奥行きがあり、心身をリラックスさせてくれます。また、生まれ育った土地に実る食べ物を食べるのが心身共に健康によい、と言われます。食べ物に限らず、空気や光、音、熱…など。香りもそのひとつと考えています。日本の香りは日本人の感性に最も合う香りであり、 ” 安心感” や” 心
地よさ” をもたらしてくれる存在なのです。また、精油と自然の保護は、切っても切り離せません。弊社のアロマ事業立ち上げのきっかけとなった北東北の未利用材である枝葉を利用した精油の開発にもあるように、日本の自然資源から生み出される和精油は、国内各地の林業や経済の活性化、環境保全にもつながっています。
ナンブアカマツ
サワラ

 

秋田

アトリエアンダンテ
秋田杉エッセンシャルオイル・美林の雫シリーズ
秋田県秋田市中通4-1-52-302
TEL:090-5849-9930
atelierandante2015@gmail.com
https://www.atelierandante2015.com
2015年からスタート(3年)
秋田スギ(葉部)
鮮度と採取時期。
秋田スギ(葉部)
ピュアでさりげない、高原のそよ風のような香り。
国産の精油は、日本人の体質に寄り添い、使いやすく、誰にでも好まれる香りがたくさんあります。特にスギは育成林の40%を占めていて、学名「クリプトメリア・ジャポニカ(日本の秘宝)」とも言われ、まさに日本の森の香りの代表格です。花粉症の予防・改善やホルムアルデヒドの除去などに、デイリーで楽しんでいただきたいですね。
秋田スギ(葉部)

 

山形

有限会社庄司林業
So-tennen
山形県西村山郡大江町大字沢口842-12
TEL:090-2980-6866
contact@so-tennen.jp
http://so-tennen.jp/aroma/
2017年からスタート(研究6年)
クロモジ、タムシバ(ニオイコブシ)
植物(原料)が森林整備由来であり、林業作業上の支障木であること。植物(原料)の産地証明があること。樹種ごとに原料粉砕装置を使い分けていること。(クロモジ用、タムシバ用)蒸留の際は水道水ではなく、天然水を使っていること。ロットごとに成分分析を行っていること。
オオバクロモジ/爽やかさのなかにも、優しい甘さが香り、清涼感と華やいだ空気を運びます。鎮静作用のあるリナロールを多く含むため、心を安らかに包み込み、落ち着きを与え、呼吸を深く整えます。登山者がクロモジの小枝を折り、一息いれるように、香りを楽しめます。森のエネルギーと青空が広がるような心地になります。
タムシバ/樟脳にも似たスッキリとした芳香のなかに、樹木特有の深みある甘さが香りです。気分を爽快に、思考をクリアにします。抗菌、抗ウイルス、免疫賦活作用をもつ 1,8 シネオールを多く含み、風邪予防にも良いでしょう。
日本産精油の魅力は、原料が身近にある点ではないでしょうか。クロモジは、一歩森に足を踏み入れれば、たいてい見つけることができます。植物の生命力に思いをはせながら楽しめるのが魅力ですね。
オオバクロモジ

 

 

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