『セラピスト』12月号の第1特集では、「4大“樹木精油”で癒そう!」と題し、北は北海道から南は沖縄まで、緑豊かな日本の森から生まれた樹木精油を紹介しています。スギ、ヒノキ、モミ、クロモジなど、樹木の香りは心安らぐいい香り。だからこそ、もっと“普段使い”しませんか? ここでは、日本産精油のスペシャリスト重松浩子さんが、本誌で紹介しきれなかった樹木精油を活用したレシピをご提案します。
文◎重松浩子(Jスタイルアロマ研究所代表) 構成◎本誌編集部
<作り方>
「青森ヒバのお掃除スプレー」で、拭き掃除が癒しタイムに!
【用意するもの】
・スプレー容器 500ml程度
【使用する精油】
・青森ヒバ 10滴/ヒバ開発株式会社
または
・ティートリー 5滴/ハーブ香房花ふう
・ギンバイカ(マートル) 5滴/植木屋アロマ(福岡県緑化センター)
・シークヮーサー 3滴/ゆめじん
【作り方】
容器の1/2ほどに水を入れ、精油を加えてスプレー部分を取り付けて振り混ぜます。
青森ヒバは抗菌、消臭、防虫だけでなく、ストレス緩和など心のケアにも役立ちます。我が家の高齢者にとっては、この青森ヒバは「ヒノキ風呂の香り」の印象だそうで、ブレンドしないこれだけの香りが大好きです。
我が家では、高齢者特有のニオイがこもる部屋やトイレの掃除などにも大活躍させています。ハーバルな香りながら、ティートリーもギンバイカも“しっかり樹木”。ギンバイカは香りも機能もユーカリをマイルドにした感じの印象で、疲れがたまりがちで免疫力低下を自覚しそうなときに自然と使いたくなる精油のひとつです。
「拭く」ことは、掃除として汚れを落とすだけでなく、同時に「磨く」というお手入れになります。乾拭きや水拭きをまめに続けていると、磨き上げたわけではないのに木や畳などの自然素材は自然なツヤが生まれ、鏡やステンレスの蛇口などはキラキラするほどピカピカに。「青森ヒバのお掃除スプレー」のこの実力、毎日の掃除を見直したくなるはずです。特別な洗剤や道具を使わなくとも、あとはシンプルに水と雑巾だけで十分!
<使い方>
掃除がラクに! 水と精油と雑巾だけでピカピカ
最後に、キレイにしたい箇所や汚れ具合に合わせた「青森ヒバのお掃除スプレー」の使い方を紹介するので、ぜひ役立ててくださいね。ちなみに、雑巾は1枚を洗い直して使うより、汚れたら別の雑巾に代えて、最後にまとめて洗うのがおすすめです。
毎日のホコリ掃除
まず空中にスプレーしてホコリの舞い上がりを抑えてから、フローリングの床はモップなどでホコリ取り。ベタつき汚れには直接スプレーして拭きとるか、雑巾にたっぷりスプレーしてから拭き取ります。カーペットも掃除機の後で拭き掃除。ホットカーペットを使うシーズンは、カーペットに移った靴下の嫌なニオイの立ち昇り予防になり、寝転んで気持ち良い場所にしてくれます。
水拭きを避けたい家電や畳、拭き跡を残したくない鏡など
雑巾に軽くスプレーして揉むようになじませ、少し湿った状態で拭くとホコリがきれいに取れます。“乾拭きのホコリ取りは濡らさず湿らせる”がコツです。また、水拭きだと拭き跡が残ってしまう鏡や窓ガラスも湿らせた乾拭きだとピカピカになります。蛇口など、水垢で汚れた所もマメにこの乾拭きを続けると、だんだん新品のように光ってきます。コツは“頑固汚れ”にしないこと。一度にきれいに取り除かなくても、毎日のこの拭き掃除をすれば磨いたようにキレイになっていきます。
汚れと合体した積もりホコリ
普段目が届かない冷蔵庫の上などは、少し頑固汚れになりかけているかもしれませんが、大丈夫。使い古しのタオルなどを雑巾にし、濡らしてから固く絞り、そこにたっぷりスプレーして電子レンジに1分ほどかけてください。温かいと汚れが緩んで落としやすくなります。ホコリの積もり汚れや軽い油汚れは、雑巾を温めるだけでほとんど対応できます。ここまでは、洗剤などを使わずに済むので、汚れさえ落とせば仕上げの2度拭きは要りません。
ガンコになったら重曹をプラス
耐熱容器に重曹小さじ1程度を入れ、熱めのお湯を250~300mlくらい注いで重曹を溶かします。冷めてからスプレー容器に移して精油を加えます。重曹水の拭き掃除は汚れ落としのパワーがアップしますが、仕上げ拭きが必要になります。仕上げの水かお湯にも精油を入れて、固く絞って仕上げましょう。
プロフィール
重松浩子(しげまつひろこ)Jスタイルアロマ研究所代表。英国ITEC認定アロマセラピスト。 日本でアロマテラピーが広く知られる前からアロマを学び実践している。「日本人に合うアロマ」を研究し、産地と消費者をつなぐ「日本の精油」の普及に力を注いでいる。
12月17〜18日に開催される「発見! アロマ&ハーブEXPO 2020」の有料セミナー「体験!貴重!幻の日本ハッカ(和ハッカ油とハッカ脳をプレゼント!)」に登壇します。皆さんとお会いできることを楽しみにしています!