【特別連載】「腸内環境改善で感染症予防」 御子川内尚美(管理栄養士・酵素ファスティングアドバイザー)

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新型コロナウイルスや新型インフルエンザなど、全く新しい種類の病気や感染症が登場し、世界中の人々を脅威に陥れてます。手洗い・うがい、マスク着用など、生活面で予防を心がけている方は多いですが、食事面で予防を心がけている方は、いったいどのくらいいるのでしょうか。

このようなウイルスに感染しないようにするためには、バランスの良い食事によって体内の免疫力を普段から高めておくことが大切です。 私たちの免疫力を最大限に高めるには、「腸」が重要な役割を担っています。

御子川内尚美氏免疫力強化セラピスト

腸には、体中の免疫細胞のおよそ7割が栄養や水分を吸収する腸壁のすぐ内側に密集しており、病原菌やウイルスの侵入に備えています。そのため、腸に存在する免疫細胞を活性化させることで、免疫力が高まり、病原菌やウイルスの侵入があっても、症状を悪化させず、食い止めることができます。

腸の健康のために重要な栄養素は、3つあります。「乳酸菌」「食物繊維」「オリゴ糖」です。

まず「乳酸菌」について。 乳酸菌はヨーグルトやキムチ、味噌などに含まれ、腸内環境を整える効果があります。
乳酸菌は腸内に定着できないため、継続して摂取することが効果アップのカギになります。

次に「食物繊維」について。 食物繊維には、水分によって膨らみ、便のかさを増やす「不溶性食物繊維」と便の水分量を増やし便を排出しやすくする「水溶性食物繊維」の2種類あります。ほうれん草やきのこ、さつま芋、ごぼうなどに含有されており、便秘改善効果が期待できます。また、腸に溜まった有害物質を吸着して体外に排出する働きもあることから、肉などの動物性食材の摂取が多い方は、野菜を動物性食材の量の2~3倍の量を意識できると腸内環境が整いやすくなります。

そして「オリゴ糖」について。 オリゴ糖は糖の一種で、大腸まで届き、乳酸菌の餌となったり、腸内の善玉菌を増やす効果が期待できます。食品では、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく、バナナなどがあげられます。 ただし、糖の一種なので摂りすぎには気をつけましょう。

以上3つの栄養素が腸を元気にするためにはポイントとなりますが、それらに偏った食事は、逆に免疫力を低下させてしまうことにも繋がってしまいます。毎日の食事では、一汁三菜の食事をベースに様々な食材をバランスよくいただくことを意識し、感染症やウイルスに負けない強い身体を作っていきましょう。

文◎御子川内尚美(みこがわうちなおみ)
管理栄養士・酵素ファスティングアドバイザー。栄養専門学校卒業後、総合病院・介護老人保健施設の栄養士として患者の栄養管理・調理業務を経験。「食で笑顔・元気を取り戻し、健康をサポートしたい。」そう強く思い、管理栄養士の資格を独学で取得。その後、食の資格を発行する協会の指導部として幅広い観点から食を学び、教育業務に従事。現在は独立し、セミナーやイベント講師・講座監修・雑誌の執筆等の活動を行う傍ら、プロアスリートの海外合宿帯同や企業へのレシピ開発など、国内外でも幅広く活動を行っている。

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