セラピストやエステティシャンがサロンを運営し繁盛させるために必要なことは、さまざまあります。その中の1つが、お客様と信頼関係を築くこと。 手技の善し悪しやカウンセリングのテクニック等、必須のスキルは多々ありますが、信頼関係なくしてリピーターへの道筋は開けないでしょう。 さらにこのお客様との信頼関係を築くためには、まずはじめに取り組むべきことがあります。カリスマ美容コンサルタントで、エステ王子として有名な小野浩二さんが、その方法をお伝えします。 文◎小野浩二(日本スキンケア協会代表理事・株式会社シードリム代表)
信頼関係を築くために3つの気持ちを持とう!
カウンセリング、販売、リピーター作りにおいて大切なことはたくさんあります。私は仕事柄サロンさんからいろんな質問をいただきます。そんな中でも多いのは、テクニック的な要素の質問です。
「化粧品をもっと販売したいんですが、どんなことを言えば買ってもらえますか?」 「高い!って言われるんですが、なんて切り返せばいいですか?」 「クロージングで、考えます。とよく言われます。どうすればいいですか?」
などなどです。
サロンの仕事において、顧客心理を理解した上でのテクニックも確かに重要です。私も20年以上、常にこれらについてどうするべきか考え、研究しています。最終的にテクニックがある無いで、売上は変わるのは間違いありません。しかしテクニックのみにおぼれてしまうと、販売はおろか、サロンのお客様がいなくなってしまう状態におちいります。 上記の質問への答えである、セールストークや応酬話法のテクニックは、お客様との信頼関係が成り立っていて初めて成立します。信頼関係ができていないときにテクニックばかりを使ってしまうと、お客様は何か異様な雰囲気を感じてしまい、契約や販売をお断りするようになります。 サロン運営において、エステティシャン、セラピストにとって最も大切なことは、お客様との信頼関係を築くことです。その信頼関係を築くためには、以下の3つの気持ちを持つことが必要だと考えています。
①お客様に貢献したいという気持ちを持つ ②お客様のお悩みを自分事としてとらえる気持ちを持つ ③お客様のお悩みに最後まで責任をもってお手伝いするという気持ちを持つ
この3つの気持ちを持つことで、あなたが発した言葉に信用性、重みが加わり、お客様の心に響くのです。 そして、あなたの笑顔や相槌、行動にも優しさ、思いやり、おもてなし感が出てくるようになります。この状態になったとき、テクニックが加わると、お客様はあなたの虜になるでしょう。 エステティシャン、セラピストは最高の仕事です。お悩みを解決し、なりたい未来へと導き、お客様の人生をも変えることができる唯一無二の職業です。是非、テクニックにだけおぼれずに、お客様を思う気持ちを持ち、信頼関係を築いてください。
著者プロフィール
小野浩二(おの こうじ)日本スキンケア協会代表理事。株式会社シードリーム代表取締役。日本ダイエット健康協会理事。新潟県村上市出身。大学卒業後、大手エステサロンに入社。「指名ゼロ」「売上ゼロ」を経験。練習に次ぐ練習で、社内の技術、売上、カウンセリング契約率NO.1になる。本店店長を務め、わずか2年でエリアマネージャーに。その後、科学的なエビデンスをもとに成果を出す施術、自身の成長を目指し、大学院に進学してダイエット、生活習慣病などの研究を行う。2008年エステティックコンテスト全国大会で1位となり、「エステ王子」としてメディアで話題になる。現在は、メンタルヘルスカウンセリング、コーチング、心理学の要素を取り入れ、サロン用にブラッシュアップした実践的なカウンセリングの指導を行う。そのノウハウは売上に直結すると定評があり、サロンコンサル、企業研修、セミナーなどで全国を飛び回る。著書に『この1冊でサロンメニューが増える! サロンで使える実践フェイシャルテクニック』(小社刊)、『一瞬で人が育つ人気サロンで使っている魔法のことば』(ぱる出版)、『なぜ、一流の男は肌を整えるのか?』(あさ出版)、DVDに『サロンでスグに使える フェイシャルテクニック入門』(小社刊)等多数。