「アロマの資格は持っているけど、自分や家族以外への使い方が分からない」。こんな悩みを持つアロマセラピストに向けて、本誌では『達人がHOW TOを伝授 ワークショップを開催しよう!』という企画を紹介しています。ここでは、ワークショップを開催するにあたり知っておきたい注意点を、達人 山下美紀さんに教えてもらいます。
文◎水原敦子・本誌編集部
Q.1「アロマ」を使用するにあたり、これだけは気をつけた方が良い注意点は何ですか?
A.「香り」を使うことを理解していただく&香りを残さないことが大切です
「開催場所についてですが、アロマの講座では密室でないほうがベターです。換気が出来ないと、香りで気分が悪くなる人も出てくる可能性があります。また、場所を借りる時は、会場側に「香りを使うワークショップ」であることを伝え、了解をとっておくことも忘れずにした方が良いですね。別の部屋でお料理教室などをやっている場合は、香りが邪魔になる場合もあります。ディフューザーの香りを抑える・早めに講座を終えて換気し、次に教室を使う人のために香りを残さないようにするなどの配慮も必要です。
Q.2 事前に会場で確認をしておいた方が良いことはありますか?
A.電源の位置と、水場の場所の確認を!
クリーム作りでは、基剤を溶かすための電源が必要になります。ですので、あらかじめ電源の位置を確認し、必要なら延長コードなどを持参すると良いかと思います。電源の位置の関係で、「作りにくい」という事態は避けたいですよね。また、石けん作り、バスボム作りの時は、どうしても参加者の方の手が汚れるので、水場の場所を確認しておくことが必要です。
自宅で行う際は、ほこりなどに注意して不快感を与えないようにしましょう。これは私の考えですが、自宅で開催する以上、生活感をまったく出さないことは難しいです。逆に、その生活感や生活スタイルは、セラピストの魅力の一部に成り得るのではないかと思っています。自宅で開催する時こそ、自分らしさを演出してはいかがでしょうか。
Q.3 参加者の方とのコミュニケーションでの注意
A.お申し込みやご質問のメールには、なるべく早くお返事しましょう
ワークショップのお申し込みやご質問をいただいた際は、なるべく早めに「メール拝見いたしました」とお返事するようにしましょう。申し込みをしてから時間が経ってしまうと、「メール届いたかな?」「見てくれているかな?」と不安にさせてしまいます。場所や時間などの詳細は後日でも大丈夫ですが、最初のメールだけはお待たせしないようにしましょう。
また、講座が始まる前に、妊娠されていないか・朝ご飯は食べて来ているかを確認します。たくさんの香りを短時間で嗅ぐので、体調が悪くなってしまうことがあります。病院に通われている方や、その日の体調に不安がある方はなるべく近くに座っていただき、気分が悪くなったら遠慮なく申し出ていただけるよう、始まる際にお伝えします。
Q.4 今までのワークショップで、失敗から学んだことを教えてください
A.起きてしまったら悔やまない! 今から出来ることを
以前、香水作りの講座を開催した時のことです。そのワークショップで使う容器には、アンティーク調の見た目もゴージャスな物を用意しました。開催前に自宅で試作品を作りましたが、その際は異常なし。当日の講座も異常なく進みました。1ヵ月後、別の講座を開催したのですが、以前その香水作り講座に参加されていた方に「蓋を開けたらいきなり蓋が外れ、中身が半分以上こぼれてしまったんです……」と教えていただきました。その方だけでなく、他にも4名ほど、同じ現象が現れていたそうです。どうやらその容器の金具に接着面があったらしく、濃度でボンドが溶けてしまったようでした。自宅で試作品をつくった際は15%で作りましたが、講座当日は25%で作ったことが原因でした。
起きてしまったことは、いくら悔やんでも仕方がありません。きちんと謝罪させていただいた後は、そのことに対し、今から出来ることを全力で行わせていただくことが大切だと思っています。せっかくアロマの講座に参加していただいたので、後日、謝罪の気持ちも込めて、その方達に香りをお配りいたしました。
失敗を怖がらずに、自分も楽しみながら、アロマの魅力をお伝えしていきましょう!