「セラピスト8月号」特集内で実現した対談。WEBでは、誌面でお伝えしきれなかった対談内容をお届けします。
英国IFA認定アロマセラピストでもある登石麻恭子さんが、「パシフィックエッセンスの『ハートスピリット』を愛用している」と話したところ、創始者であるサビーナ・ペティットさんが「ハートスピリット」誕生のエピソードを語ってくれました。
取材・構成◎中澤小百合
――おふたりが、植物が持つ癒しの力に注目し始めたのは、いつ頃からですか?
登石 アロマセラピーやフラワーエッセンスを本格的に学び始めたのは大学生以降ですが、小さい頃から植物が好きで、特に花や葉の匂いが好きでした。また、小さな頃から不思議なことが大好きな子どもで、幼稚園の頃には、「なんであの子の魂と私の魂は入れ替わったりしないのかな?」と思ったりしていました(笑)。ある植物を取ってきてビンに入れて発酵させて遊んだりもしましたね。後で調べたら、偶然その植物は、中国で薬として利用されているものでした。その後は、占星術やタロットに興味を持つようにもなりました。
サビーナ 私も同じよ! 小さな頃に、人形のために薬を作って遊んでいました。学校で使うチョークっていくつもの色があるでしょ?それを細かく粉状にして、積んできた花を刻んで混ぜたものをプラスティックのボトルに入れて、お人形にあげていました。今仕事としてやっていることのルーツは、子ども時代にあるものなのね(笑)。
――登石さんはパシフィックエッセンスの中で好きなエッセンスがありますか?
登石 「ハートスピリット」ですね。ハートチャクラの問題は小さい頃からずっと積み重ねて持っていた気がしていて、使ってみたところ、スッーと入ってくる感じでとても気持ちが楽になりました。それ以降、ハートが傷んだ時のお守りのような存在です。
サビーナ そうなのね!とても嬉しいです。
――「ハートスピリット」は日本でもファンが多いエッセンスですね。どのようにして生まれたのですか?
サビーナ 聞いてくれてありがとう。とても素敵なエピソードがあるのよ。20年程前に私が初めてフラワーエッセンスのクラスを行った時、バッチを使っていたセラピストさんが習いに来たんです。彼女はその後シアトルに戻って、自分のクライアントを診ていたのですが、ある日若い男性が来て「ハートにいいエッセンスを全部混ぜて下さい」と言ったそうなんです。当時ハートに対応するエッセンスは20種類ほどあって、「全部混ぜて出してもいい?」と彼女に聞かれたのですが、「それは多過ぎるからダメ」と言いました。でもその男性は、小さい頃から本当にいろいろなことがあってハートに傷を抱えていて、このままだと死んでしまいそうだと。彼女はどうにかしてあげたいと思って、ハートに関するものを全てブレンドしたドーセージボトルを作り、それを彼は摂り始めました。10分か15分おきに週末の3日間飲み続けてから月曜日に仕事に行くと、それまで自分に話しかけてもくれなかったような人が彼に「あなたすごく調子良さそうね!楽しいことでもあったの?」となごやかに話しかけてくれるようになったんです。それからは彼の社会生活が大きく変化しました。とても劇的な変化でした。
登石 そんなエピソードがあったのですね!
サビーナ すごく効果があったので、彼女は同じブレンドのエッセンスを入れた水を、近所の野良猫にあげてみました。すると、餌をあげてもすぐに逃げてしまっていた野良猫が、3日後には彼女の膝に座って甘えるようになったそうです。
――そして、「ハートスピリット」というコンビネーションエッセンスが生まれたのですね。
サビーナ そうです。愛、喜び、受容、慰め、安らぎ、慈悲など、ハートに関わる感情へ働きかけるエッセンスが全て、この中に入っています。傷ついたり、恐れにとらわれているためにすっかり閉ざしてしまったハートをやさしく開き、人生を心から受け入れ、楽しむ力を与えてくれます。
登石 素敵ですね!私だけでなく、世界の多くの人がこのエッセンスによって助けられていると思います。
サビーナ そうなのであれば、嬉しいです。
「セラピスト8月号」では、アロマセラピーとフラワーエッセンス、東洋医学とフラワーエッセンスの共通点とその活かし方を、さまざまな視点から2人が語っています!
著者プロフィール
サビーナ・ペティットさん
中医学ドクター。カナダ初のエッセンス会社「Pacific EssencesⓇ」の創設者兼ディレクター。夫と共に海洋生物と海洋植物のエッセンスを世界に先駆けて発表。プロとしてのキャリアは30年以上に及ぶ。東洋医学の叡知と知識をフラワーエッセンスと統合することを長年研究し、これら2つの癒しのフィールドを融合させたパイオニアとして国際的に認知されている。著書に『エナジー・メディスン』(中央アート出版社)がある。
登石麻恭子(といしあきこ)さん
英国IFA認定アロマセラピスト。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。西洋占星術研究家。ホリスティックなツールとして西洋占星術をとらえ、アロマテラピーやフラワーエッセンスといった植物療法と鉱物・身体・西洋占星術の相関を研究し、ライフワークとしている。著書に『魔女の手作り化粧品』(ワニブックス)、『魔女のアロマテラピー』(INFASパブリケーションズ)、監修書に『スピリチュアルアロマテラピー事典』(河出書房新社)がある。