セラピスト4月号では、アロマテラピーを使ってさまざまな場所、方法で仕事を楽しんでいる方々を取材し紹介しています。
ここでは、セラピストやアロマインストラクターとしてサロンやアロマクラフト講座などで活躍する皆さんにアンケートを実施し、アロマテラピーを始めた「きっかけ」と、その「やりがい」について語ってもらいました。
構成◎本誌編集部
アロマテラピーに関わることになった経緯と、そのやりがいや楽しさを教えてください。
OL時代に、ストレス発散や生理前症候群の緩和に精油を活用していたことがきっかけで、アロマのスクールに通い始めました。それからアロマトリートメントの魅力にはまり、サロン勤務を始めました。お仕事を続けるうちに、一人ひとりのお客さまとしっかり向き合うサロンを作りたくなり、現在は自宅サロンの開業準備をしています。
アロマは身体の状態やその日の気分で好きな香りが変わるので、毎回お客様へのカウンセリングが楽しみです。咳が辛そうな方にはトリートメント中にフランキンセンスを香らせたり、生理前ならゼラニウムを入れるなど、お客様の体調により何通りものおもてなしが出来ることにやりがいを感じています。(サロン勤務)
結婚後、子供になかなか恵まれず、それまで続けていた派遣事務職をこのまま続けるかどうか迷っていました。そうするうち、女性がずっと輝ける仕事で、「あなたにお願いしたい」と言っていただける仕事に就きたいと考えるようになりました。手に職も付けたかったので、アロマセラピストになろうと思い勉強をしたのが仕事を始めたきっかけです。
やりがいを感じるのは、トリートメント後のお客様の表情が、来た時よりもはるかに明るくなった時。お客様と色々なお話をするのが楽しく、自分自身も癒されています。アロマクラフト講座では、香りに親しんでいただき、「元気になった」、「お肌が綺麗になった」と喜んでいただけます。今の家に引っ越してすぐに子供が出来たのですが、知り合いもおらず不安でした。しかしアロマを通して、お友達が出来、沢山の方と出逢えました。時間をかけて成長させてもらえているし、アロマには本当に感謝しています。(自宅サロンで開業)
化粧品会社で働いていた時、身体を外からだけ綺麗にするのではなく、中から綺麗にしていくことの大切さを学び、香りから得られるリラクゼーション、人の手によるトリートメントなどの癒しに興味をもつ。そこから、自分が年齢を重ねても、沢山の女性をサポートしていきたいと身体について学びました。今はアロマとヨガをMIXしたお仕事をしております。
お客さまに香りへの興味を持って頂けること、ご自身の身体の弱い部分を知っていただき、より良い状態になりたいと思っていただける所に楽しさ、やりがいを感じています。特に、疲労している方、痛みのある方に対する施術は、終わった後の変化を実感していただけるので充実感があります。(プライベートサロン経営・セルフケアアドバイス)
病院や高齢者施設でリハビリテーションを実施してきました。アロマテラピーでの症状改善の事例に関心を持ち、メディカルアロマインストラクターの資格を取り、アロマテラピースクールで精油のことやマッサージの方法を学びました。その後、サードメディスンと出合い、嗅覚による体質分析や体質に合った精油の使用、メディカルアロマのブレンドアドバイスをするようになりました。
日本ではリラクゼーションの意味合いが強いアロマテラピーですが、近年は医療・介護の現場でも注目されるようになっています。今では、自分が選んだアロマによって症状や生活が改善した患者さまを見るのが嬉しいです。体質に合ったメディカルアロマの使用で、病院通いから卒業された方、妊娠された方がいることも励みになります。サロンともコラボしており、その結果、エステティックの施術効果が上がり、商品の売り上げも伸ているようです。(病院・高齢者施設勤務)
事務職として勤務しながら、ストレス緩和の為に勉強を始め、独学でアロマ検定に合格。その後、身内が若年性アルツハイマーと診断され悩んだときに、アロマは認知症に効果があるという本を読んだことがきっかけで、NARDアドバイザー、セラピストの資格を取得しました。また、韓国でしか手に入らない韓方アロマオイルに出合い、その香りに自分自身がすごく救われ、このアロマの効果を多くの人に実感して欲しいと思い、韓方アロマトリートメントを行うようになりました。
アロマの不思議なところは、その日の体調や気分によって、香りの感じ方が違う事です。私は、精油の薬理効果だけを重視せず、お客さま一人ひとりと向き合い、その方の感覚に合ったものを提供したいと考えています。アロマオイルの薬理効果とアロマの香りに包まれることで、幸福感や安心感などを得てもらえるととても嬉しいです。(自宅サロンで開業)
バリエステサロンに客として通っている間に、その香りやトリートメントに興味を持ち、技術を学びサロンで働くことになりました。お客さまと接するうち、香りのパワーをしっかりお伝えしたいと思い、アロマを勉強。今は自宅でバリエステを開業しています。
香りを体験しているときは、その香りが好きでも嫌いでも、みんな、自分を見つめ自分に集中している時間だと思います。私はその時間がとても好きですし、楽しいです。施術中にお客さまが突然、「この香りかいだことあるー!」と、その時の思い出をとても楽しそうにお話されたことがありました。忙しい日々のなかで、ふと立ち止まり、過去を振り返らせてくれる香りの力は、すごいなと思います。また、それと同時にこの仕事にやりがいを感じます。(自宅サロンで開業)
皆さん、アロマテラピーの仕事に関わることになったきっかけも働き方もさまざまです。しかしその仕事から得られるやりがいには、人々を健康や幸せに導き、自分自身も喜びや成長を感じられるという共通の楽しさがありました。
セラピーという仕事は、癒しを通じて「健康」や「幸せ」という誰もが関係することをサポート出来ます。だからこそ、この分野の裾野は広く、活躍の場も多岐にわたり、やりがいも大きいのです。特に、経済的な成長や生産性の向上ばかりが重要視され、生きづらさを感じる人が多い現代日本では、その必要性はこれからさらに高まっていくことでしょう。
今後、一人でも多くの方がアロマの魅力を知り、人生を豊かなものにしていけるよう、アロマテラピーの仕事に携わる方々の活躍が期待されます。