健康を維持するために「食事」は重要なファクターですが、中でも、免疫力を高めるために効果を発揮する栄養素があります。
各栄養素が身体に働きかけるメカニズムや食品を知り、日々のレシピに役立てましょう。
取材・文◎水原敦子
1. 疲労回復を高めて、免疫力をアップさせる「ビタミンC」
ビタミンCは、免疫機能を担う白血球の一つである「好中球」の機能を高めるため、病原菌の感染に対する抵抗力を上げることが出来ます。疲労が蓄積すると、この抵抗力は下がってしまいますが、ビタミンCを摂れば、疲労回復や抵抗力アップに力を発揮します。水溶性ビタミンであるので、生のままか、調理するなら蒸したり汁ごと食べるようにすると良いでしょう。
ビタミンCを多く含む食材は、ブロッコリーやピーマンなどの野菜類、いちごや柿などの果物類です。
「ビタミンC」を多く含む食材たち
2. 粘膜を強くし、体内に病原菌が入ることを防ぐ「ビタミンA」
粘膜に分泌される「粘液」は微生物をとらえ、皮膚表面にある「抗菌物質」がバリアとなってくれます。ビタミンAは、このような皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。
ちなみにビタミンAには2種類あり、植物性食材のβカロテンと、動物性食材のレチノールのどちらもバランス良く摂ることが大切です。また、脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂れば吸収率が高まります。
ビタミンAを多く含む食材は、にんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜、レバーなどです。
「ビタミンA」を多く含む食材たち
3. 免疫細胞が主に作られる腸の環境を整える「食物繊維」
体内の免疫細胞の3分の2が作られるという「腸」。腸は飲食物に含まれる栄養素を吸収し、一方で身体に有害な細菌やウィルスを排出する働きがあります。腸を健康に保つためには、便秘にならないことが大前提です。便秘予防のためにも食物繊維を充分摂りましょう。腸内清掃の役割だけでなく、食物繊維そのものに腸内細菌のバランスを整える働きもあります。
食物繊維を多く含む食材は、玄米、ごぼうやレンコンなどの根菜類、キノコ類です。
「食物繊維」を多く含む食材たち