『セラピストのための女性ホルモンの教科書』出版記念特別インタビュー!

投稿日:2015年4月28日

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「以前より顔のたるみが気になってきた」、「最近、急にむくみがひどくなった」、「疲れやすくて、休んでもだるさが抜けない」。女性であれば、一度は経験したことがある悩みではないでしょうか? 実は、これらの問題は女性ホルモンが原因であることが多いのです。
近年、女性ホルモンが注目され、情報がネットや雑誌にあふれていますが、そこには誤った情報も多いようです。女性ホルモンは、正しい知識を身につければ、女性が美しく幸せに生きるための強い味方になってくれます。また、セラピストであれば、女性のお客さまの不調改善に役立つ「女性ホルモンケアの知識」を学んでおきたいもの。
そこで今回は、女性ホルモンをとても分かりやすく解説した『セラピストのための女性ホルモンの教科書』の著者であり、女性ホルモンケアを行うサロン『aroma&esthetic ICHIKA.』代表の烏山ますみさんに、ご自身の経験や日頃から出来るセルフケアなどについて、お話を伺いました。

取材◎本誌編集部

 

烏山ますみ(からすやまますみ)
『aroma&esthetic ICHIKA.』代表。大学で心理学を専攻し、卒業後も精神科医である大学教授の助手を行いながら”月経とストレスの関係”の研究を継続。女性の心と身体の両面からのサポートを目指し、スパ施設、ホテルエステ、トータルビューティーサロンなどで経験を積む。その後、職業訓練校の講師としてアロマの基礎知識や手技、心理学、解剖生理学、ホスピタリティ論、サロン運営などを幅広く担当。2012年3月、吉祥寺に『ICHIKA.』をオープン。女性ホルモンの理解を一般に広げるため、「女性ホルモンバランスプランナーR」を創設。著書『セラピストのための女性ホルモンの教科書』(小社刊)は、2015年5月発売。

自身の不調をきっかけに女性ホルモンに関心を持ちました。

Q1.なぜ、「女性ホルモン」に注目するようになったのでしょうか?

 私が大学生の頃に、今までに無かったような月経痛が頻繁に起きるようになったことに戸惑い、婦人科を転々としたことがきっかけですね。病院での診断結果は、病気ではない「月経困難症」というもの。当時聞きなれない診断名に疑問を持ちまして、関連本をたくさん読んで調べました。すると調べている中で、「ストレスと女性ホルモンの関係は科学的に実証されていない」という一文を見つけたんです。私たち女性が当たり前のように感じている「ストレスで月経が遅れる」ということも、実証されていない事実に驚ました。
当時、心理学を学んでいたので、もっともっと知りたいと思い、女性ホルモンへの関心が高まっていきました。そして知れば知るほど、女性にとって大切な「赤ちゃんをつくる基本」となる月経について、研究者の方がおっしゃっていることと、一般の私たちの認識があまりにも違っていることが分かり、正しい知識を持つことが大事だと実感していきました。

女性ホルモンへの注目が集まる一方で、あいまいな情報が増えているという問題も。

Q2.女性ホルモンが注目されて久しく、多くの女性が女性ホルモンに関心を持っています。にもかかわらず、婦人科系の不調は増える一方のようにも感じますが、それは何故なのでしょうか? 今後、どのようなケアが大事なのでしょうか?

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 ここ2、3年で一般の女性誌などでも特集が組まれるようになり、一気に注目度は上がっています。その背景には、婦人科系の病気の低年齢化や「妊活」という言葉も出てきて、女性ホルモンに関心のある女性が増えています。でも、その注目度や需要に合わせて情報が増えている一方で、あいまいな情報も増えているのが事実。一般の方はそのあいまいな情報と正しい情報が混在する中で、自分に合った情報をキャッチするのがますます難しくなっているように思うんです。
これだけ情報が増えていても、未だに「婦人科に行くのは恥ずかしい」「友人や家族とも自分の月経のことは話さない」という方も多くて。1人で悩みを抱えている方が多いから、不調が改善されていかないのだと思います。
今後のケアとしては、まず1人で悩みを抱えず早めに誰かに話をすることと、自分の身体に合った改善方法を見つけることが大切ですね。そのためにも、私のサロンでは女性ホルモンの体質チェックを行い、個人差を見極められるようにしているんですよ。

女性の不定愁訴には、女性ホルモンが影響している可能性が高い。

Q3.「女性ホルモン」が整うと、女性の多くの不調は改善されるのでしょうか?

 女性ホルモンは月経に関係するだけでなく、筋肉や骨、血管や肌、自律神経など全身に影響を及ぼします。なので、女性ホルモンの乱れが原因で、不定愁訴と呼ばれるような心身のトラブルが様々な所に表れます。一見、女性ホルモンとは関係なさそうなお肌の乾燥や頭痛、肩こりまで女性ホルモンが影響している場合があるんです。「最近なんだか急に……」「今まではなかったのに……」などの不調が出てきた時には、女性ホルモンが乱れている可能性があります。もちろん女性ホルモンが原因ではない不調もたくさんありますが、あらゆる女性の不調の原因に女性ホルモンが隠されていることが多いのです。

どんなに気を使っていても、自力では疲れが取れないこともある。

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Q4.「女性ホルモン」を整えて、改善されたクライアントのエピソードを教えてください。

 不妊治療中のお客さまがいまして、病院でも原因不明と言われ、漢方治療なども行っていたのに良くならないためにご来店されました。不妊治療に専念するために仕事を辞め、特に忙しいわけでもなく、ご本人もどうしていいか全く分からない状態だったようです。
カウンセリングをすると、たしかに食事も規則正しく、ストレスもなさそうでした。しかし、施術を行ってみると、仕事を辞めて半年経っているにも関わらず、ストレスフルな身体だったのです。「今のお身体では、栄養も酸素も子宮に届いていないですね」とお伝えしたら、「毎日ゴロゴロしているのになぜ!?」と驚いた様子でした。
その後、約半年ほど施術を行いました。すると、女性ホルモンが乱れると出る身体のサインである特定の場所のコリやむくみが消えて、無事妊娠されたのです。
妊活のために仕事を辞める方も増えていますが、自力では疲れが取れないこともあること、しかし適切にケアをすれば整っていくことを私自身も実感しました。

女性であることを楽しんでみて。

Q5.女性力をアップさせるために、日常からセルフケアで出来ることは何ですか? また、セラピストが出来ることも教えてください。

 女性ホルモンを整えるためのセルフケアは、それほど難しくないのです。基本は、一般的に言われているように、日常生活における睡眠、食事、運動をバランス良く行うことです。女性には女性に合った食事や運動方法がありますので、偏ったり、やりすぎたりしないことが肝心ですね。
そして、一番大切なのは女性であることを楽しむこと。現代はどうしても男性社会なので、女性的な部分が否定されがち。社会に適応するためには、やむを得ない部分もあるでしょう。でも、自分ひとりの時にまで女性であることを否定してしまっては、その気持ちが自分の身体に影響を及ぼしてしまい、美容や健康まで損ないかねません。
一方、セラピストの皆さんは、「このトラブルは、女性ホルモンの影響かも知れない!」とお客さまに気づかせてあげることが出来る、貴重な存在なのです。病院に行くほどでもないけれど、不調を抱えた女性がまず訪れるのは、セラピストさんのところだと思います。そこで、お客さま自身も気づいていない不調の原因をお伝えすることが出来れば、深い信頼関係を築けるでしょう。

セラピストには是非、女性の身体に合ったケアを知って欲しい。

Q6.最後に、女性ケアを行うセラピストの方へ、メッセージを教えてください。

 エステティシャンやセラピストの皆さんは、女性のお客さまが中心ですよね。それなのに、女性ホルモンの知識について学ぶ機会がなかった方がほとんどだと思います。月経痛やPMS、不妊や更年期のトラブルに悩むお客さまに対してだけでなく、お肌のケアやダイエット、リラックスや身体のコリをほぐすためにも、男女同じ施術をするのではなく、女性の身体に合った施術やアドバイスを行うことが大切です。
それが出来れば、セラピストという職業が、女性にとってなくてはならない貴重な存在になっていけると信じています。

今回、お話を伺った烏山ますみさんの著書、『セラピストのための女性ホルモンの教科書』では、さらに詳しく女性ホルモンの「理論」と「手技」を解説しています。女性ホルモンの重要な部分を担う、脳と卵巣をキャラクター化した、「脳くん」と「卵巣ちゃん」の”愛の劇場”を通して理論が分かりやすく学べます!



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『セラピストのための女性ホルモンの教科書』出版記念セミナー、「日本一わかりやすい女性ホルモンのはなし」が5月28日(木)に都内で開催されます。烏山先生から直接お話を聴けるまたとないチャンスです!受講料は3000円+税。定員30名。まだ若干の空きがありますので、皆様のお申込みをお待ちしております!



 

烏山ますみさんがサロンで実践している女性ホルモン体質チェックが簡単に受けられます!



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