前編では 大阪大学 微生物病研究所教授 高倉伸幸氏による「毛細血管のゴースト化の予防によるアンチエイジングの実践」の講演から、毛細血管が健康に保つことが、若々しく健康でいるには必要不可欠であること、そして毛細血管をゴースト血管にしないための救世主が“ルイボスティー”であることをお伝えしました。
後編では、AEAJアロマテラピー・プロフェッショナルでハーブコーディネーターでもある佐々木薫さんによる「おいしい習慣『ルイボスティー』美と健康のための赤いお茶を訪ねて」の講演を通して、世界で愛されるルイボスティーの歴史、地球上で唯一ルイボスが生育する南アフリカ共和国のこと、そして栄養学から見るルイボスティーの魅力に迫ります。
(AEAJアロマテラピー・プロフェッショナルの佐々木薫さん)
ルイボスティーは南アフリカ固有のハーブ
アフリカの最南端にある、南アフリカ共和国。
面積は122万平方㎞で、日本の約3.2倍、人口は5,590万人で日本の半分弱。
公用語は英語、アフリカーンス後、バンツー語など11言語もあり、多民族国家として、また自然が豊かな国として知られています。
同国の高級リゾートとして知られる、喜望峰、テーブルマウンテンで有名なケープタウン。
(左写真:喜望峰。右写真:ケープペンギン)
そこは、植物の楽園としても知られています。「ケープ植物保護区地域群」は世界自然遺産に登録されており、9000種を超える植物が自生していると言われています。
南アフリカの国花である「プロテア」もその1つ。プロテアは、マカデミアナッツと同じヤマモガシ科に属します。
(ピンク色の花がプロテア。佐々木さんの講演の後、それにちなんだクイズ大会が開催され、勝者にプレゼントされた。)
そのケープタウンから250kmのセンダバーグ山脈(地図参照)の高原地帯、そこでルイボスは自生、栽培されています。ルイボスティーは、もともとこの地域の先住民であるブッシュマン(コイサン族)たちが、不老長寿の飲み物として愛飲していたものです。ルイボスはアフリカーンスの言葉で「赤い灌木」をいう意味です。
Rooibos(ルイボス)
学名 Aspalathus linearis
別名 Red bush
マメ科 常緑性低木
11~12月の夏(南半球なため)の時季に黄色いかわいい花をつけます。
強酸性の土、強い紫外線、夜は極寒。過酷な環境で育つルイボスは、その身に多くのパワーを蓄えます。
「ルイボスティー」は、栄養学の観点からもとっても魅力的!
ルイボスの生育地である高原地帯一帯は、遥か昔は海の中だったそうです。
生育地域の土壌は多くのミネラルを富み、それを地下深く広げた根から吸い上げます。
そのため、ルイボスは、カルシウム、リン、鉄などのミネラル、そして「アスパラチン」、「ケルセチン」「ムチン」などのフラボノイド系の抗酸化物質(フィトケミカル)を豊富に含みます。
ルイボスの固有成分「アスパラチン」は、血糖値の上昇を抑えたり、メタボリックシンドローム予防や酸化ストレスの抑制効果があります。
「ケルセチン」は、ビタミンCの吸収を促進、LDL(悪玉)コレステロールを下げて、動脈硬化を防ぎます。
「ムチン」は、蕎麦などにも含まれる抗酸化物質で、毛細血管を強化したり、動脈硬化を予防したり、ヒスタミンの生成(体内で量が増えるとアレルギー症状をきたす)を抑制する効果があるそうです。
普段の飲み物をルイボスティーに代えるだけで、私たちに不足しがちなミネラルや身体を健康に導く有効成分が取れるなんてうれしいですね。
佐々木さんが南アフリカを訪れた際、ホテルやレストランでは、必ずといっていいほど、コーヒー、紅茶と共にルイボスティーがメニューにあり、人々に愛され、この地に根付いてると実感したそうです。
ルイボスティーはノンカフェインのため、妊婦さんや赤ちゃんでも安心して飲めます。同国では、日本の「赤ちゃん麦茶」と同様な位置づけで「赤ちゃんルボスティー」がスーパーで普通に売られているそうです。
また、ルイボスティーはフルーツと相性が良いので、フルーツや果汁で割ると子ども達も抵抗なく飲めます。
こまめに水分補給が必要なこの時季に、ぜひルイボスティーを取り入れてみてください。
南アフリカ共和国のイベントでは、「ルイボス&フルーツティーパーティー」も催されました。
ルイボスティーをはじめ、さまざまなハーブを使った身体が喜ぶスウィーツとドリンクが並びました。
(フルーツの入ったグラスにアイスルイボスティーを注ぎます)
今後も生活の木では、アロマやハーブ、健康や美容に活かせる知識が身に付く、大使館で過ごすセミナーの定期的な開催を予定しているそうです。詳しくは生活の木ホームページまで。