『セラピスト』2月号では、今年こそ夢を実現!『サロン開業』をテーマに特集しています。現在、個人でサロンを開業する人が増えていますが、開業スタイルはさまざま。また、一言で「開業」と言っても、一人ひとり、それぞれのストーリーがあります。何故セラピストになったのか、そして開業を決意したのか……
ここでは、本誌では紹介し切れなかった個人サロンに共通の質問を投げかけてみました。これから開業しようと思っている人、開業したばかりの人の励みになることでしょう。
構成◎本誌編集部
共通質問
Q1:セラピストになったキッカケ、なろうと思った理由は?
Q2:開業するまでに大変だと感じたことは?
Q3:開業するまでにやっておけば良かったと思うことは?
Q4:開業して良かったと思うことは?
上本真也さん
「【小顔矯正の専門店】Body design support 町田店」
サロンの特徴
小顔矯正をメインとしているが、顔だけではなく、身体全身にアプローチしてくれる。骨盤矯正の専門店に勤めていた頃、「骨盤だけの施術ではダメだ」と思い、独自のメソッドを提供。心身に癒しと美を与えてくれる。
<HP>https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000386914/
Q1. セラピストになるキッカケをくれたのは甥っ子でした。当時、マッサージやリラクゼーションとは全く関係のない仕事をしていたのですが、甥っ子は身体をほぐされることが大好きだったので、会うたびにマッサージをしていたのです。そのため、私がマッサージの仕事をしていると思っていたほど。そんな甥っ子との思い出が、セラピストになろうと思ったキッカケです。
Q2. 始めはレンタルサロンを借りて、イメージを膨らませました。もともと友人のサロンや開業したばかりのサロンの手伝いをしていたので、開業自体は大変だと感じませんでした。一番苦労したのは……やはり金銭面ですかね。(笑)
Q3. やはり、もっと資金を貯めておけば良かったと思います。これに尽きます!ですが、スポンサー様や理解ある大家様のおかげで問題をクリアすることができました。施術スキルには自信がありましたが、ネットの勉強をもっとしておけば良かったと思っています。ホットペッパービューティーの営業さんとお付き合いがあったので、任せっきりでした。
Q4. 会社員時代は、さまざまな制限がありましたが、今は全て自由にできることが何より嬉しいです。自己責任で何でもしなければいけないので、甘えることができませんが、自分で決めたことを実現できるのは、素晴らしいことだと感じています。
飯田佐江さん
「STORY」
サロンの特徴
フェイシャル・リンパボディ・痩身をメインメニューとする。フェイシャルでは毛穴の汚れをしっかり落とし、保湿を行う。乾燥やたるみが気になる方にオススメ。また、日常の生活アドバイスなども行ってくれる。
<HP>http://www.story-beautysalon.com
Q1. 都内の街を歩いている時、通り過ぎる女性がとても綺麗で、美意識の高さを感じました。その時、「女性が輝くためのお手伝いがしたい」と思ったことがセラピストになろうと思ったキッカケです。人は第一印象で決まると言います。髪のツヤやネイル、肌の透明感など、女性は皆、美しくなるための努力をしています。そんな女性たちのお手伝いがしたいと思っていました。
Q2. 最初は自宅サロンからのスタートでした。次に、家を借りてお家サロン。その後、2021年10月に柏のテナントへ出店しました。出店までは、テナント回り・店舗回りの人通り調査・不動産打ち合せ・内装打ち合せ・ホームページ作成等、たくさんの打ち合せや契約があります。短時間で全てを終えなければならなかったので大変でした。
Q3. 出店してみなければ分からないことも多々ありますが、スタートと同時に時間がなくなります。忙しい中でも時間を確保することがとても大変となる毎日でした。今は、もっともっと知識や技術を取り入れたいと思っていますが、時間のある時に前もって学んでおけば良かったと思っています(美容は常に勉強ですので、ずっと同じ思いかもしれませんね)。
Q4. たくさんのお客さまと関わることが出来ることです。そして何より、お客さまからいただく喜びや励み、笑顔に日々感謝しています。お客さまお一人おひとりのお悩みにお応えできるよう、私自身も日々勉強。自分がこうして前向きになれるのはお客さまのお陰です。この仕事を通し、成長させていただいていると感じます。感謝の気持ちでいっぱいです。
端若子さん
「セラピーサロンRoba no MiMi」
サロンの特徴
免疫活性を目的にしたアロマオイルトリートメントは、自律神経に働きかけ、副交感神経を優位にしてくれる。身体だけではなく、心までもトリートメントできるように努めている。
<HP>https://robanomimi517.wixsite.com/robanomim
Q1. 25年間看護師として働いていました。看護師時代は、ミスの許されない業務のストレスからか、生活習慣や食生活が乱れ、休みの日は気絶するように眠る……そんな生活を送っていました。自分や家族の健康などを考える余裕はなかったです。過去の経験から「医療従事者こそ癒しが必要なのでは?資格を取り同僚を癒したい!」と思うようになり、セラピストとしての人生をスタートさせました。
Q2. 世の中が不要不急の外出を自粛する中、サロンをオープンしても継続していけるかという不安は常にありました。やはり経済的な面で「支えてくれるパートナーがいる」「収入の柱が別にある」「ある程度の預貯金がある」など一定期間、生活の保障が必要になります。まずは、副業からのスタートが安心なのでは……と感じました。
Q3. サロンをオープンする前から“自分を認知してもらうこと”が大切だと思います。やっていく内に、一番の集客は「お客さまからの口コミ」であることも分かってきました。SNSというツールはとても便利です。ですが、広告や大手クーポンサイトは費用がかさみます。自分の思いや取得した技術を多くの人に体験していだだくために、オープン前にもう少し力を入れておけば良かったと思います。
Q4. 25年間看護師として臨床を経験し、病気で苦しむ多くの患者様を見ている自分であるからこそ、「健康に生きることの大切さ」をお伝えできる。起業に不安はありましたが、好きを仕事にできる喜びは何にも代えられません。私自身人生100年時代、生涯セラピストとして社会に貢献していければと思います。
楠耕輔さん
「fouleetherapie suncere」
サロンの特徴
フーレセラピーという足を使った施術で、全身の筋肉をほぐしてくれる。血液やリンパの流れがスムーズになり、身体全体の治癒力を高めてくれるのも魅力だ。足の面を使った施術であるため、揉み返しもほとんどなく、リラックスして受けることができる。
<HP>https://www.fouleetherapiesuncere.com
Q1. 一言では表せないほど、沢山のキッカケがあったのですが……母がフーレセラピーをしているというのが1番大きいと思います。母が資格を取る時の練習台が僕だったので、フーレセラピーの魅力はずっと前から知っていました。そして、「何か自分で出来ることはないかな」と思った時に、自然と「自分もフーレセラピーの資格を取ってみよう」となり、学び始めたことがキッカケです。
Q2. 第一歩を踏み出してから、周りに「あ、こいつ本気だな」と思ってもらうことですね。フーレセラピーのお店を開業すると、周りに言い出したのは4年くらい前ですが、そこからの3年は熱量が全然足りなかったと感じています。結局何も前に進めず、応援してくれる人も少なかったです。一つのことを続けることは大変です。だからこそ、覚悟を持って始めることが大切なのだと思いました。
Q3. もっと沢山の施術を受けておいたら良かったなと思いました。セラピーや身体、健康に関しての勉強にもなるし、よりフーレセラピーの特徴を感じることが出来ると思います。今からでも遅くはないですが、お客さまへ施術するにあたっては、出来るだけ早めに一つでも多くの経験や知識を持っておいた方がいいと思います。
Q4. 日々の生活に緊張感が出ました。お客さまは忙しい中でも自分のお店を選んでくれているので、それに応えるためにはどうすれば良いのかをずっと考えています。今までは後ろ向きな考えが出てくる時もありましたが、開業してからはそんな余裕もないというか……前をしっかり見ることができるようになりました。大変なことも多いですが、本当に開業して良かったと思います。
藤井智子さん、北本英里子さん
「リンパケアサロンje.belle〜ジュ・ベル〜」
サロンの特徴
医療監修の元行う“リンパシー”という施術は、優しい圧とゆっくりとしたスピードでクライアントの心身を癒してくれる。痛みもなく、むくみのケアや免疫力アップが期待できるのが魅力。健康的な美しさを目指したい方にオススメ。
<HP>https://jebellebeauty.jp/
Q1. もともと美容サロンに通うのが好きだったため、こんなお仕事も素敵だなと思っていました。そこで、技術を学べる所がないかを探し、リンパシーアカデミーに出合ったのが始まりです。2人で体験に行き、内容はもちろん、スクールの先生の人柄でセラピストの仕事の素晴らしさを実感し、即決でした。
Q2. 全て大変ですが(笑)メニューと価格設定は悩みました。近所のサロンの相場と内容を考慮して決めていきました。メニューの名前一つでも、パッとみて引き寄せられる名前をつけることが大切で、先生に何度も相談し、チェックしてもらいました。価格設定については自分の決意の表れと言うアドバイスも頂きました。
Q3. サロンオープンまでの期間が短かった事もあり、短期間で準備する事が多く、今から思うと心に余裕がなく、SNSを通しての発信まで十分に手が回っていませんでした。余裕を持って準備することで、心にも余裕ができ、楽しみながらサロンのこと、自分たちのことをもっと発信できる幅が広がったのではと、今落ち着いてから感じます。
Q4. 日々学ぶことが沢山あり、新しいことをインプットできて楽しいです。私たちの施術を通して、辛かった身体が帰る時には、『肩が軽くなった』『スッキリした』と喜んで頂ける。そんなお客さまのお顔をみることが幸せで、身体も心もケアできる素敵なお仕事だなと感じています。
丸田佳代さん
「香りのお店maruta」
サロンの特徴
上質なオーガニック精油とスキンケア商品を贅沢に使用。エステティックの技術を取り入れ、オーガニックアロマフェイシャルとボディートリートメントをメインとしている。
<HP>http://kaorinomaruta.com/index.php
Q1. 18年前に父の突然死や2人目の出産と重なり、大きく体調を崩してしまいました。そんな時、心の安定を求めて手にした香りに感動し、アロマの勉強を始めたことがキッカケとなり、13年前にオープンしました。
Q2. 大変なことはあったのかもしれませんが、子育てに追われながらも自分の描いたものを形にできることへの満足の方が大きかったかもしれません。
Q3. やっておいて良かったと思うことは、ブログです。お問い合わせは『ブログを見て』が多かったので、広告費が要らず、助かりました。また、開業届や商標登録など法的手続きや商工会などの地域事業をサポートしてくれる行政を調べておくのも良いと思います。
Q4. 多くのお客さまとお会いし、自分自身が力をいただいています。自分自身が形にしていくものが誰かの笑顔になる喜びは、私の人生になくてはならないもので、常にチャレンジする気持ちをもたらしてくれます。