2020年を迎え、いよいよ開幕が待たれる東京五輪。世界中のトップアスリートがこの時に向け調整を行うなか、スポーツの舞台を支える役割の1つとして近年大きな注目を集めるのが「スポーツアロマ」です。セラピスト4月号でご紹介のスポーツアロマ施術者・中島和美さんがケアする多数のアスリートから、陸上十種競技で東京五輪出場有力候補の右代啓祐(うしろけいすけ)選手にアロマの魅力を伺いました! 構成◎本誌編集部
国士舘クラブ所属の陸上十種競技選手で、東京五輪出場有力選手。日本選手権8度の優勝、アジア大会2連覇、ロンドン、リオ五輪の日本代表。リオ五輪では日本選手団の旗手を務めた。また、8308点の日本記録保持者。
Q1 最初はどのようなきっかけで、アロマでのケアを取り入れようと思ったのですか?
十種競技のトレーニングは多種目かつ多様性のあるトレーニングを長時間にわたり行うので肉体的な疲労だけではなく、精神的な疲労を感じていて、アロマケアを取り入れるようになりました。
Q2 実際に受けてみていかがでしたか?身体や心の変化、パフォーマンスへの変化などを教えてください
施術後は身体の歪みがとれ、頭から足先まで意識がいく感じ、正しい姿勢で立てていることを感じます。心も穏やかに、リラックスした本来の自分になれている実感があります。
Q3 スポーツアロマ以外のケアやサポートとしては、どのようなものを受けていますか?その中でスポーツアロマに、他のケアと違う点や価値があれば教えてください。
セルフケア用にブレンドオイルを作成し、練習後のケアに使わせていただいたり、今の自分の状態のフィードバックを中島さんからメールでいただいています。意外と自分の主観とのギャップがあったりもして怪我の予防に役立っています。
Q4 中島さんにお願いし続けている理由やこだわりはありますか?
月に一度はお願いしたいです。身体と心を整えるためになくてはならないケアの1つになっています。
Q5 ケアを通じて、右代さんご自身が一番お気に入りの精油(香り)を教えてください。
シーズン中は高温多湿の中で試合や練習をすることが多いので、ペパーミントとアロエゲルを混ぜ合わせて全身に塗って体温を下げるようにしています。また、集中したいときには手首にオイルをつけて匂いを嗅いだりして気持ちの切り替えをしています。
Q6 スポーツをするすべての方に向けてのメッセージをお願いします。
これまで受けてきた治療・ケアというと鍼灸やカイロプラクティックなどが主で、アロマケアというと、リラックスしたいときに受ける「癒し」のイメージでした。しかし実際に中島さんのケアを受けて「あれ?心もスッキリしてる。身体もスッキリしている」と感じました。
ケアの中で実際に「ビフォーアフター写真」を撮り、自分の身体の歪みがどうなっているのかを見比べ、“自分の身体って、ボディケアでここまで変わるんだな~”と目で見て実感。普通の治療とはまた違う“心身共にスッキリした感覚”があり、今の自分には必要なケアだなと感じました。
今僕は十種競技に取り組んでいますが、職業は「陸上選手」であり「大学の教員」でもあり、いくつもの側面をもちながら生活・競技をしています。多岐にわたる立場や思考を抱えて活動するため、実は沢山の切り替えが必要なのです。そんななかで、“休みたいときはしっかり休む”という時間は、このアロマでのケアに充てています。リセット&リスタートをさせてくれる感覚があり、“次の日から思いっきり競技できる”という気持ちへの切り替えスイッチとして、今では自分にとってなくてはならないものになっています。
「香りを感じて脳にすぐ影響が出るのがアロマ」という話を聞いて、寝る前に使うようにもなりました。生活の一部となっていて、今では集中したいときやリラックスしたいときに使い分けています。
皆さんもぜひ体験・体感してみてください。
国内トップアスリートも取り入れているスポーツアロマ。今回は、これからスポーツアロマの分野を目指すセラピストの方にも参考になる、実際に体感しての貴重な声をお届けしました。
3月6日発売の「セラピスト4月号」では中島さんによる、パラリンピック候補選手・澤田優蘭選手(100m走、走り幅跳び、ユニバーサルリレー)へのスポーツアロマの様子を解説しています。詳しくは誌面よりご覧ください。
中島和美(なかしまかずみ)さんプレミナスポーツアロマスクール卒業生。スポーツアロマ活動中。英国IFA認定アロマセラピスト、JAA認定アロマインストラクター、正看護師。2014年にアスリート専門アロマケア「TOCCARE」を開業。愛媛県松山市でサロンを経営し、月2回、新宿・横浜・埼玉へ出張でケアを行う。