色彩心理学や脳科学をもとに誕生した、五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)にアプローチする新しいメソッド「WATCHセラピー」。「セラピスト4月号」では、開発者で“RUBYZ”を主宰する夜久ルミ子さんによる解説を掲載していますが、ここでは実際に「WATCHセラピー」を取り入れ、お客さまが“自分を好きになるお手伝い”を手掛けるセラピストの声をご紹介します。メイクアップアドバイザ—講師として活躍する羽鳥美保さんの“飛躍のチャンス”は、どのようにして生まれたのでしょうか。
取材・文◎本誌編集部
はじめに…
「WATCHセラピー」とは?
「WATCHセラピー」は、色彩心理学、色彩学、脳科学、解剖生理学、臨床心理学、コミュニケーション学、コーチングなどに基づいて開発されたメソッド。五感を使ってストレス症状の原因である“脳”にアプローチすることで、ストレスに気づき、自分らしく前向きな人生に活用することができます。
【WATCH】は「気づく」を語源にもつ単語で、五感の頭文字であるW(ワード・聴覚)、A(アロマ・嗅覚)、T(トリートメント・触覚)、C(カラー・視覚)そして、H(ハーブ・味覚)によって組み立てられています。
「WATCHセラピー」の5STEP
下記5つのSTEPで脳にアプローチします。まずSTEP1「ストレスをケア」で、10本の中から4本のカラーボトルを選択するところからセッションがスタートします。
-
STEP 1
カラーワード(C、W)
自分を知る!(本質、現在のストレス、なりたい未来、解決策) -
STEP 2
アロマフレグランス(A)
香りの力で、自分の気持ちに気づく -
STEP 3
禅トリートメント【ハンド・フット(T)】
脳にアプローチ!ストレスをプラスと捉えてやるべきことがわかり前向きになる -
STEP 4
ハーブティ(H)
胃腸もリラックス!ストレスを内側からケアし継続させる -
STEP 5
アロマフレグランス(A)
自分だけのオンリーワンフレグランスで行動を加速
メイクアップ講師・WATCHセラピー認定講師・WATCHメイクセラピスト。
美容歴28年、美容資格多数習得。百貨店にて外資系化粧品美容部員後、ブランドの枠を超えたコスメティックアドバイザーに。メイクアップアーティストとして、7万人以上にメイクを施し現場経験を積み重ねる。
また、WATCHセラピーとメイクのコラボレーションにも成功し、色と香り・メイクアップで、女性の内面と外面からトータルビューティーをサポート。現在はセラピスト活動と併せて、各地の美容専門学校でメイクアップ講師、WATCHセラピー認定講師として人材育成も行っている。
信頼していた同僚に裏切られ人間不信に……
現在メイクアップ講師・WATCHメイクセラピスト・WATCHセラピー認定講師として華々しく活躍する羽鳥美保さん。しかし、かつて美容部員として勤務していた百貨店で同僚の裏切りにあい、深い人間不信に陥った過去がありました。
「あるとき、憧れだった化粧品ブランドから引き抜きのお声が掛かり、天にも昇る気持ちで転職を決意しました。しかしその後、同僚が突然の病気(癌)で仕事を辞めることになり、私は上司から退社を引き留められ、転職も諦めざる得ませんでした。それから数か月が過ぎた頃、病気だったはずの同僚から『私の転職予定だった化粧品ブランドで働いている』というメールが届きました。彼女は、病気(癌)ではなかったのです」
信頼していた仲間に裏切られ、虚しさに襲われる羽鳥さん。悔しさから、次々に美容資格を学び取得していきます。何かに没頭することでしか埋められないほどの失意でした。
マイナス感情から、人生観・価値観が変わっていく
そうして幾つもの資格を取得する過程で出合ったのが「WATCHセラピー」でした。講師である夜久ルミ子さんの、「ストレスが大きいほど,人は自分の思う以上に飛躍できる」という言葉に希望を見出したと言います。
“ストレスをチャンスに変えるセラピー”である「WATCHセラピー」は、まず「WATCHカラー」とされる10色のカラーボトルから4本を選ぶところからセッションが始まります。最初の3本には自分の過去、現在、未来が、そして4本目にはストレスに対する解決方法が反映されるのだとか。
「自分で選んだ色を通して、過去の出来事を見つめ直してみました。すると、ずっと抱いていた“同僚にチャンスをつぶされた”というマイナス感情ではなく、『人のために自分のチャンスさえも諦められる、そんな素晴らしい所を生かしてみたら?』と勇気を与えられたのです。まさに人生観・価値観が変わりました」
人の役に立てることこそ、自分本来の喜びであると気づいた羽鳥さん。単に資格取得するために学ぶのではなく、“人の役に立つために学ぶ”という考えに変わっていきました。その結果、自分の本質が分かる「WATCHカラー」とメイクアップを組み合わせた、「WATCHメイク」の開発に至ったのです。
外見も内面も喜び、自分のことをもっと好きになっていくお手伝いを
羽鳥さんが開発した「WATCHメイクセラピー」とは、“内面(心)から輝けるメイクアップ”。誕生のきっかけには、美容部員時代の体験がありました。
「お客様に似合うお色をご提案したところ『しっくりこないから落としてほしい』と断られることがありました。“外見”は他者から決められることでなく、本人の心(内面)とつながっているものなんだと気がついたのです。WATCHカラーを使って“自分のなりたい未来”のイメージを言葉にし、メイクアップで具現化することで、なりたい自分に近づき心から満足できるのではと考えました」
外見も内面も喜びに溢れるとき、お客さまの表情は笑顔で輝き豊かになり希望に満ちたものになります。「1人ひとりの本質に合わせた言葉かけをすることで、もっとお客さまの“なりたい自分”へ近づけてあげたい」そんな気持ちから、色ごとに調合された香り「WATCHアロマフレグランス」もカウンセリングに活用するようになりました。嗅ぐことで瞬時に脳へ届くアロマの力を使って好きな香り、嫌いな香りを選べば、その人の脳の受け入れ態勢や考えていることが分かるのです。今自分が求めている物や考えに輪郭を与えれば適切な言葉かけができ、それをメイクに反映することで、自分のことをもっと好きになっていくお手伝いをしていると羽鳥さんはいいます。
人の本質に触れることで日々発見があり、自分自身の人間力も上がっていく
「人を癒す仕事をするセラピスト、でも意外と自分のことは分からないものです。『WATCHセラピー』はカウンセリングにも役立ちますが、まずはセラピスト自身が体験することをおすすめします。自分の脳で漠然と考えていることを明確化し、やるべきことや目標に気づければ、進むべき道に迷うことがなくなります。また、自分にはこんな素晴らしい面があるのだと気づき、現在抱えているストレスの原因から、自分の望む未来を実現するヒントを得ることができます」
人は目の前のことしか見えない状態に陥りやすく、他の人から質問されて初めて自分の考えを探す検索エンジンがかかります。そのため自分のことほど分からない、気づかないことが多いのです。「WATCHセラピー」を取り入れることで十人十色の考え方に触れ、自分を基準に考えなくなれば、セラピスト自身の人間力も上がります。
“この人は何色だろう?”“なるほど!この色の人だから、こんな風に悩んだりしているのか!”と日々発見があり、人と接する楽しさを体感することで人生そのものが楽しくなっていくでしょう。
「WATCHセラピー」に出合わせてくれた同僚に、今では感謝しているという羽鳥さん。多くの人の本質と向き合うなかでまだまだ気づきがあり、常に自分自身も更新している実感があるそうです。今後の活躍にも期待が高まります。
※本記事でご紹介したセラピーの詳細は、3月6日発売の「セラピスト4月号」および、2月に発売した夜久ルミ子さんの著書『気づきの心理療法 WATCHセラピー』をご覧ください。書籍は「WATCHカラーカード」と「気づきのカルテ」付きで、今すぐ始められます!
夜久ルミ子(やくるみこ)さんRUBYZ主宰。薬剤師、セラピスト。薬科大卒業後、病院勤務でホリスティック医学に興味を持ち、鍼灸、マッサージ、美容系の資格を取得。心身のストレス、美容にもアプローチする施術を開発。日本でただ1人のビューティー総合資格保持者。2月に著書「気づきの心理療法 WATCHセラピー」(小社刊)を発売した。